私たちの暮らしは「モノ」と「エネルギー」にあふれています。家には電気・ガス・水道が整い、オフィスでは冷暖房完備。町にはバスやタクシーが往来し、スーパーでは四季に関係なく世界中から様々な食材が集められ、安い価格で陳列されています。

「エコロジカルフットプリント」という概念を聞いたことがありますか?人々のライフスタイルが生態系に与える影響(足跡)を数値化したものです。それによると、日本は生産能力が0.71なのに対し、エコロジカルフットプリントは4.77。持てる資源の約7倍もの資源を過剰消費していることになります(環境省編、2003: pp.10-12)。図1を見ると、日本を含む「北」の国々と発展途上国といわれる「南」の国々の数値の差が著しいのがわかります。私たちの「豊かな」暮らしは、地球、そして「南」の人々の暮らしを犠牲にして成り立っているのです。「北」の国々が今のままのスピードでモノを消費し続ければ、地球上から森が消え、絶滅する動植物が増え、砂漠化がすすみ、地球はますます温かくなり、人間の貧富の差はますます大きくなることが予想されます。資源が少なくなれば、人々や国の間に争いも起こるでしょう。環境問題と経済・社会問題はコインの裏表のように、密接しているのです。

とはいっても、自分の24時間が地球温暖化にどう関係しているのか実感がわかないという人も多いことでしょう。ライフスタイルは無意識のうちに確立されてしまっている、いわば習慣のようなもの。では、私たちの毎日の暮らしが生態系にどこでどう影響を与えているのか、一緒に探っていきましょう。


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