今まであまり聞いたことがなかった「スロービジネス」についてイメージや理解が深まりましたか?自殺や倒産を引き起こす競争経済や環境破壊を生み出してしまうビジネスは大きな力を持っています。でも、選択肢はひとつではありません。従来のビジネスに替わるオルタナティブなビジネスもあるのです。
「スロービジネス」は、確かに時間がかかり、めんどうくさいスローなプロセスの上に成り立っています。でもその分、人とのつながりが生まれ、楽しさも苦労も分かち合える醍醐味があります。そしてビジネスとしての運動体は、前に挙げた例でみたように、いろいろな人が共生できる社会を創る可能性を秘めているのです。
安心や感動を創り出し、たくさんの人が生きる喜びを楽しむ。スロービジネスが展開する世界は想像以上に幅広いものです。自然エネルギー、エコ商品、福祉、ツアー、カフェ、雑貨、食などなど。あなたの周りにも生まれたばかりの、あるいはマイナーながらしっかりと地域社会に根を張っているスロービジネスがあるかもしれません。ぜひ情報のアンテナを張り巡らせてみてください。いろいろな形のスロービジネスを発見して、それに触れて感じてみてください。
これまで紹介してきたようなスロービジネスに興味を持ったなら、気になる動きをまずは応援しちゃいましょう。商品を買うことで支援したり、ボランティアで作業を手伝ったり、アルバイトとして働いたり・・・。あるいは自分でスロービジネスを起業するという選択肢もあります。ナマケモノ倶楽部ではスロービジネスについてのつながりを創ったり、情報交換も定期的に行っています。特にカフェ部門では、「スローカフェ宣言」(Pxx参照)を掲げ、全面的にスロービジネスを応援しています。
これからの時代は、スロービジネスに関わる人、次世代を担う若者にとって、おもしろい時代になるはずです。学歴よりもビジョンとアイディア、人間味が問われています。個人のライフスタイルを変えていくことと、企業体として社会の変革を担っていくことが上手く重なれば、それこそ社会はダイナミックに変化していくはずです。私たちにできることはいっぱいあります。
変化を起こすべく、一緒にスロービジネスの種を蒔き、育んでいきましょう!
<スロービジネスで わくわくの種を育てよう♪>
松尾聖子* スローライフデザイン「縁側ゆにっと」代表 スロービジネスとは「わくわくすること」を「すでにあるものを活かし」「がんばりすぎず」にやっていくことだと考えています。まずは自分が「わくわくすること」を見つけ、それにしっかりと集中し日々鍛錬する。それがだんだん洗練されていって「家族」や「ご近所」そして「地域社会」へとわくわくの輪が広がり、そこに後からお金がついてきて経済的にも成り立っていく…小さな種たちが自然の恵みに育まれて自力で逞しく伸びていって豊かな実をつけていく…といった、有機的なイメージがあります。 それを始めるための土(基礎)作りはスローライフの実践。まずは支出を減らしお金をかけなくても心豊かに過ごせるようになること、人との繋がりを大切にして各自の能力を活かしあって助け合い、喜怒哀楽を分かち合えるといった人間本来の能力を蘇生することだと思います。 お金がないとできない!という思いこみからも自由になり、多くの人々が食べていくために諦めてしまった「わくわくすること」を通じて、誰もが平等に心豊かに楽しく生きていける世の中を創造してゆける可能性をスロービジネスに感じます。 HP: http://www3.coara.or.jp/~nijiiro/e-u/ (*第1章:プロフィール欄を参照のこと。) |
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