2004年4月24日
◆ナングルヴィ温泉でのできごと
4月18日、コタカチのエコロジーセンターからインタグの我が家へ戻る冒険がはじまりました!
私が関わっているもう一つのNGO・RIC(熱帯雨林情報センター)で一緒に活動してきた友人で長期ボランティアのトラロック・トクダと、コタカチエコロジーセンター(CEC)で英語を教えているボランティア、キャシー(66歳!)が一緒です。
トラロックは息子と一緒に南米を旅していたのですが、インタグに向かう途中で立ち寄ったナングルヴィ温泉が、彼女を心変わりさせました。私たちが今年10月に開催したいと準備している「コタカチ・エキスポ2004」に向けての企画書作りを手伝ってくれることになったのです!
雲霧林に囲まれたナングルヴィ温泉でのゆったりとした時間が、彼ら親子の五感に何かを伝えたのでしょう。温泉には人々を心底くつろがせ、回復させるパワーがありますが、私たちもまた、この温泉があるからこそインタグに元気に通い続けることができるのです。
◆家族が一人増えました!
パチャがプールで至福の時間を過ごしたあと、20分バスに揺られて、ルイスが待つアプエラに向かいました。
ルイスはよい知らせをもってきてくれました。私たち家族のために馬を見つけてくれたのです!さっそくエル・ミラグロまで1時間かけて歩き、その馬と私たち家族との相性がどうか見てみました。
平和で柔和な性格のその馬を、私たちは「シャンティ」と名づけることにしました。すぐさまパチャは鞍無しのシャンティの背中に乗り、薄いたてがみにつかまりながら、私が手綱をもって歩いてみました。
パチャは一度馬から滑り落ちましたが、馬もパチャも大事には至りませんでした。そこでもう一度馬に乗り直し、天然のパドックを一周してみました。
馬は、私たち一家にとって物資を運ぶのになくてはならない移動手段です。エル・ミラグロへのアクセスはいろいろありますが、険しく滑りやすい40分かかる山道がいちばんの近道になります。
というわけで、エル・ミラグロのスローファミリーは、だんだん生活環境が整ってきました!
◆スローなものづくり
今、インタグは雨季の真っ最中ですが、さとうきびの葉っぱでできた我が家の屋根は、しっかり雨露をしのいでくれます。年中修理が必要なコタカチエコロジーセンターのタイル張りの屋根に比べても、雨漏りが少ないのです。
エル・ミラグロに戻ってきて私がまず取りかかったこと。それは、竹製のシンプルな二人掛けソファーを仕上げることでした。バイーア・デ・カラケス市の通りで見かけたソファーをヒントに作ったものです。
私の性格なのでしょうが、生命あふれるエクアドルにいても、何かを生み出すことへの私の思いはとて強のです。これがスローなライフスタイルなのかどうかは、ちょっと自信がありませんが。(笑)
「二人の幼児をもつ母親」という現状では、二人の健康な地球市民を育てることのほかに、何かを「生産」することはかなり難しいです。けれども、これが私が適応しなくてはならない新しい「環境」なんですよね。
(ソファーでなく)床に釘を打つパチャと、私が造ったものの強度を確かめてくれたヤニのサポートを得てソファは完成!さらに、台所にやってきて水漏れのする流しの下を探検するヤニを止めるための柵もできした。(ヤニは水たまりが大好きなんです)
ルイスは倒壊した温室を修理してくれました。これで雨続きでもへっちゃら。大量の布オムツに何度着替えをしてもすぐ汚される子ども服を乾かせる場所ができました!
◆生命あふれる曼陀羅ガーデン
このほかに私たちは苗床を作り、さっそくいろんな種類の野菜を植えました。
ここにはユカイモ(キャッサバの一種)と地元で「白にんじん」と呼ばれるものがたくさんあります。また、トウモロコシやそら豆のほかマメ科の植物、たくさんのオレンジやレモン、パッションフルーツ、バナナ、キャベツ、レタス、数多くのハーブなど、私がエル・ミラグロを不在にしていた一年の間、力強く生き延びてきた「いのち」がいっぱいです。
小屋から外を眺めると、いろんな種類の野菜やハーブや花をデザインして円形に植えた曼陀羅ガーデンが目に入ります。これはパーマカルチャーの一つですが、私は食物と一緒に色とりどりの花を植える作業が大好きです。私の魂が喜ぶのを感じる瞬間であり、ハチや益虫のためにもなります。
◆闇の中で
エル・ミラグロの夜は、たとえようのない平和な時間です。
太陽が沈み、パチャ、ヤニと一緒にホタルの舞踏会を眺めながら眠るようになってからは、私はローソクさえめったに使わなくなりました。ゴーという川音が私たち家族を包みます。
最近では、ヤニが虫に耳をかまれて泣くため、真夜中に起こされることが続きます。ヤニはいくつかの虫にアレルギーがあるようで、水ぶくれができてしまいました。ヤニはまた眠りにつきますが、目が覚めてしまった私は考えごとをしたり、ネズミのがさがさいう音や屋根に当たる雨音に耳を傾けたりして、「暗闇の時間」を過ごします。
◆森で出会った宝物
隣人のカルロス・ソリージャがコタカチまで車に乗せていってくれることになり、私たちは大変楽をしました。カルロスは、アースデイを記念したコタカチ郡主催のイベントでプレゼン
テーションをすることになっているのだそうです。
川沿いの林を抜け、青々と草がしげった道を堪能しながら、私たちは再びカルロス家のあるラ・フロリダに向かって歩き出しました。
前回の宝物はカルロス家で会ったハチドリでしたが、今回の宝物は、通りすぎた私の頭に落ちてきた小さなランでした。そのランは、私がこの地球上でいちばん多様性豊かな生態系にいることを祝福してくれているようでした。
「今、ここ」で生きていることに感謝!
愛、いのち、そして平和のために
アンニャ、パチャ、ヤニ
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