2004年5月3日
「エル・ミラグロへはどうやっていくの?」
「なんでエル・ミラグロと命名したの?」
メールで近況をお知らせするようになってから、このような質問を受けました。
今回はエル・ミラグロ物語からお話したいと思います。
◆エル・ミラグロへバーチャル・トリップ!
まず、エル・ミラグロへの旅のガイドから。
陸路・海路・空路のいずれかで、地球上で2番目に高い首都、エクアドルのキト(標高2800m)をめざして
ください。
キトからオタバロ行きのバスで2時間半、さらに一日に6本走っているアプエラ行きのバスで細く曲がりくねったじゃり道を2時間半いくと、ようやくインタグ地方の中心地、アプエラに到着です。
(インタグはコタカチ郡に属する一地方の名称です。)
さあ、いよいよあなたの健脚の出番です!足に自信のない方は馬でいくとよいでしょう。アップダウンの激しい険しい山道をすすみ、どの山道を行くかによって異なりますが、うねるトウアブンチェ川を何度か渡ります。
エル・ミラグロに通じる道は6通りあります。険しい道を早足で進めば40分、もう少し緩やかな道を歩けば80分くらいでしょうか。
◆「エル・ミラグロ」の由来
次に「エル・ミラグロ」の由来についてお話しましょう。
2001年にナマケモノ倶楽部で10ヘクタールの土地を購入し、ボランティアと一緒に敷地内に寝泊りできる小屋を立てました。私たちはそこをスペイン語で「ミラクル(奇跡)」を意味する「エル・ミラグロ」と呼ぶことにしました。
地球上で絶え間なく繰り返される「いのち」の奇跡を思い起こさせるこのネーミング以上に、この場所にふさわしいものはありません。
私たちの「いのち」そのものが奇跡です。そして広大な世界の1カケラにしかすぎないこの土地は、まさに「いのち」の宝庫です。
エル・ミラグロから上流に20分歩いたところにある30ヘクタールの土地には、「サンタ・ルシア」(英語で聖ライト)と名づけました。これもいいネーミングだと思いませんか!?
ここの区域は森林が自然に再生するよう人工的な手入れはせず、そのまま放置しています。
◆「引き算」のスローライフ
エル・ミラグロへの三回目の旅では、日本からのお客様たち(日本青年会議所)に会うために、2日間しか滞在できませんでした。
温室の中で芽を出した種をチェックし、庭から収穫した白にんじんをたくさん食べ、新鮮なオレンジジュースを作り、陽が沈みまた昇るのをゆったり眺めながら、エル・ミラグロでの人生設計について考えを巡らしました。
どうやら10月まで電話線を入手するのは難しそうなので、次の最善の策として、トランシーバー(無線機)の調達を考えています。(緊急時の連絡用に)
Eメールのチェックは隣人のカルロス夫妻のところで事足りますし、エコ・オフィスの建築もはじめようと思っています。
エル・ミラグロの小屋が美しく開放的な限り、葉っぱの屋根の下で暮らす喜びを感じ、生きた木に支えられた土壁が育つのを観察しよう・・・。ここにはコンピューターや電話は似合いません。
◆ボランティア大募集!
私たちはエコオフィスを石で建てることを決意しました。エル・ミラグロの周辺には石がごろごろ転がっています。それに建築資材を外部から(細く険しい山道を通って)運ぶことは現実的ではありません。
キツイ仕事になるでしょうが、スローライフをめざす人やナマケモノメンバーたちにとって、何世代も使えるほど頑丈な拠点となることでしょう。
そこで、私たちと一緒に建築を手伝ってくれるボランティアを募集します!(問合せはナマケモノ倶楽部事務局へ)
エコオフィスへの私の条件は次のとおり。
・現存する小屋に近いこと(仕事をしながら子どもに目を配れる)
・日当たりがよいこと(ソーラーパネルを設置したいので)
・雨漏りに強く、眺めがよいこと!!
ここは赤道直下であっても標高1800メートルという過ごしやすい気候です。過度の暑さ・寒さを心配する必要はありません。湿気が上昇するのを止めようとする快適な空気の循環があることだけ心に留めておけばよいでしょう。(雲や霧が多い)
ボランティアを希望するみなさんは、デザインや建築の専門家である必要はまったくありません!
(もちろん、プロの建築家のボランティア参加も歓迎します。いいアイデアをもちよってください)
私がエコオフィス建築プロジェクトに求める人材は、
・シンプルを追求する人、
・一生懸命になれる人、
・(基本的な)計算ができる人、
・周りの意見をよく聞く人、
・助け合うことが好きな人
これで 十分。
「奇跡の地」に一緒にエコオフィスを建てませんか?みなさんのご参加お待ちしています!
いのちのために
アンニャ・ライト
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