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インタグSOSキャンペーン

2000/12/11 カルロス・ソリージャ(環境保護団体DECOIN会長)からの手紙
資料:フニンの銅の採掘権に関する基本的事実
2001/1/11 賛同団体・賛同人要請
  解説:エクアドルとインタグ地域について
  解説:JICA・三菱マテリアルによる開発とDECOIN
2001/1/14 カルロス・ソリージャからの経過報告
  連帯メッセージ:パトリシア・モグエル
2001/1/26 CODELCO社・代表取締役宛要請文(原文日本語訳
2001/1/29 カルロス・ソリージャからのお礼メッセージ
  キャンペーン参加へのお礼(ナマケモノ倶楽部、日本ブラジルネットワーク)
2001/3/25 インタグSOS最新情報(中村隆市)

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カルロス・ソリージャ(環境保護団体DECOIN会長)からの手紙

インタグ、エクアドル 2000年12月11日 

友人達へ

 インタグの原生林と何十もの稀少生物と農民達を救うために、再びあなた達の支援が必要となった。ここ、すなわちこの惑星でもっとも生物多様性に恵まれている地域で、銅山開発計画許可の結果起こるであろう荒廃から彼らを救うために。

 鉱業分野の行政官であり、現在のエネルギー鉱山省大臣のパブロ・テランが最近、エクアドル政府とチリの国営鉱山企業CODELCO(世界最大の銅採掘業者)とフニンの銅山開発可能性の調査に入ることで合意に達したと発表した。これは7年前、三菱の子会社が行ってきた試験採掘と同じ採掘権をCODELCOに与えるというものである。現政権のやり口として(前政権でも同じだったが)、地元や地域、郡当局にはこの件について一切相談はなかった。ましてや、直接鉱山によって影響を受けるインタグの住人に対しては、何の話もなかった。もし、この鉱山開発計画が万一認められたら、とんでもない荒廃が引き起こされるであろう。このことは以下に述べる情報が証明している。

 みなさん方の多くは、フニンへの日本企業の進出が、「鉱山に影響を受ける共同体の防衛組織」と「DECOIN」の結成をもたらしたことを思い出して頂けると思う。「DECOIN」はフニン地区の小農民達の共同体によって設立された草の根組織である。何より重要なことは、直接の影響を受ける共同体、DECOINのメンバー、インタグの他の隣接地域、エクアドルのNGO並びに国際的な手紙キャンペーンで私たちを支援してくれた海外の友人達の活動の結果、フニンでの銅山開発は決して良い考えではないことを三菱に納得させることができたことである。残念なことに、上に述べた鉱山開発に関する最新ニュースのおかげで、私たちはおなじプロセスを繰り返さねばならない羽目に陥った。

 現在、当地フニンでの関心は6年前に私たちが三菱を追い出すためにキャンペーンを最初に始めたときよりも遙かに高い。それはフニン地区のコミュニティの住人達が、この間、鉱山開発に代わる持続可能な代替的発展を具体化させてきたからである。その一つはエコツーリズムプロジェクトである。住民達は約一ヶ月前最初のエコツーリストのグループを日本から受け入れた。フニン地区の共同体はインタグで初のコミュニティ・生態系保護区の立ち上げも行った。DECOINは(海外からの資金協力を受けて)両方のプロジェクトのために技術的な支援と資金集めを行っている。

 さらに、銅山開発の影響を受けるコミュニティのメンバーはリオ・インタグ・オーガニック・コーヒー生産組合(スペイン語の頭文字AACRI)のメンバーでもある。これは鉱山開発への脅威に対抗してDECOINが設立したもう一つの取り組みである。AACRIはいまや独立して活動を開始し、230名のメンバーが育てたコーヒーを、国内のみならず日本やアメリカでも販売している。

 フニン地区についてと、いま提案されている銅山開発プロジェクトの双方に関して、一連の重要な事実をここに提供する。みなさんには以下のことをぜひご協力頂きたい:

*この情報を読んで、あなたの友人達のネットワークや、これと似たような持続可能性のないプロジェクトによって脅かされている環境、コミュニティの社会的権利、経済的権利ならびに住民の人権を守ろうとしている組織とこの情報を分かち合って下さい。

*CODELCOと、エクアドルならびにチリのエネルギー鉱山大臣に手紙を書いて、小農民達の生活と彼らが生活の糧を得ている自然を崩壊させるような、この新しいプロェクトにあなたが大変失望し、憤慨していることを伝えて下さい。可能であれば、下記の住所を含む他の住所にもあなたの手紙のコピーを送ってください(この電話やメールの時代に、封筒に手紙を入れ切手をはってポストに投函するのは、ちょっとした手間だろうとは思います。でも、本当の手紙の方がメールよりも鉱山会社や政府高官の胸に響くだろうと思いますので、みなさんのご尽力をお願いします)。

*メディア報道によると、CODELCOの幹部が1月初めにフニンの鉱床を調べるためにエクアドルに来るそうです。みなさんの地域での迅速なアクションをお願いします。多国籍企業のフニンの銅への飽くなき貪欲さとそれを支援する政府を止めるためには、みなさんの連帯こそが頼りです。この手紙の末尾の幹部達に手紙を書いて下さい。

ご支援に感謝します。

カルロス・ソリージャ
DECOIN代表
DEFENSA Y CONSERVACION ECOLOGICA DE INTAG
PO BAX 144,OTAVALO, IMBABURA, ECUADOR
decoin@hoy.net
TEL/FAX (593 6) 648 593
追伸:あなたが送った手紙のコピー、または手紙を送ったという知らせだけでも
   頂けたら幸いです。感謝をこめて。

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資料:フニンの銅の採掘権に関する基本的事実

フニンの銅の採掘権に関する基本的事実(DECOINからの資料の翻訳)
(ページ・ナンバーは日本国際協力事業団(JICA)と日本鉱業事業団(?)による環境影響調査報告(EIS)のページ数を表す。この報告は以上の事業団の出資の元で三菱が行った採掘活動の結果作られたものである。出典の示されていない情報はDECOINの調査によるものである)

■位置:
インタグに位置するチョコ・植物地方は、北西エクアドル、インバブラ郡の一帯にある。ここはこの惑星の生物多様性に関するホットスポットのひとつである。その場所はエクアドルの西部森林地帯内の、トイサン山脈の側面にあたり、何千ヘクタールもの雲霧林がその中に存在する。鉱山開発エリアはコタカチ−カヤパス生態系保護区とも境を接するため、この保護区も影響を受けることになる(p130)。銅とモリブデンの鉱床は険しい斜面の途中にあり、豊かに生い茂る原生林(現在残されているエクアドル西部森林地帯−元々の原生林の7〜8%−の一部である)の中心であると同時に、何千人もの農民や他の住民に、灌漑用ならびに家庭用の水を供給する水源地でもある。また、採掘予定地域は険しい斜面であるのに付け加えて、エクアドルアンデス山脈は地質的な断層が縦横に走っており、それために地震が起こる確立も非常に高い。

■フニンの銅:
原鉱の約0.6%が銅である。ということは、原鉱1トン当たり12ポンドの銅が生産され、1988ポンドが不要の鉱物として棄てられることになる。この鉱床には1億トンの銅が眠っている。この計算で行くと、この鉱床が掘り尽くされた時には、1600億トンの不要鉱物がこの地域に残されることになる。フニンの銅は鉛、ヒ素、カドミウム、クロームなどと一緒に埋まっているので、これらの鉱物が廃棄物の中に残り、何世代、あるいは、そしてかなりの可能性で何世紀にも渡って、周囲の地表・地下の水を汚染し続けるだろう。

■汚染:
EISによると、鉛と砒素による汚染レベルは、この地域の河川の現在の通常値の10,000%に達するであろう。付け加えて発ガン物質であると信じられているカドミウムのレベルは4,000%の増加、クロームは1,600%、硝酸塩は800%(p313付表54)。これらの汚染が、採掘地域内あるいは周辺地域の人間を含むすべての生物の健康に深刻な影響を与えるのは明らかである。

■鉱山開発とその為の整備:
原鉱の中の銅の含有量の低さ(0.6%)は、地下採掘(これは被害が比較的少ない)が不可能であるということを意味する。ということは、ここは露天掘り鉱山となるであろう。この坑道は直径にして2kmに及ぶ予定である。付け加えて、上に記した鉱物の廃棄物は660ヘクタール(約1550エーカー)の広さの土地に貯蔵される。これとは別に汚染水を貯えておくダム用地221ヘクタール(550エーカー)が必要である。この水は、銅を原鉱の他の物質から分離する過程で出るものである(通常この処理には硫酸が使われる)。合計で、この開発には鉱山自体も含め4025ヘクタール(1万エーカー)が必要となる(p80-81)。 最後にこの鉱山計画には距離75km幅8mの道路建設が含まれている。近代化の波が押し寄せていない地域に道路が開通することによって、大規模で無計画な植民が起こることは、われわれは経験から知っている。調査書もプロジェクトに必要な人口5000人の町を作ることを要求している。これは、現在最大の(そして唯一の)町の人口が186人しかいないガルシア・モレノ教区(銅鉱床はその教区にある)の人口が120%増えるということである。鉱山や油田発掘に沸く町にはアルコール、麻薬、売春、性病(エイズを含む)、犯罪その他の社会問題がつき物である。これらはすべて、日本企業がつくったEIAの中で「このような影響が出る可能性がある」としてあげられているものの引用である。

■鉱山地域のコミュニティ:
フニン、バルセロナ、セロ・ペラド、ラ・リベルタドが鉱山開発によって住民が移住しなければならない採掘区域内の4つのコミュニティがある。これらのコミュニィティはおよそ100の農家が住んでいる。

■地域内の生物分布帯への影響:
採掘許可区域は海抜800mから3500mの間にあり、EISの中に述べられている以下の生物分布帯を含む:湿潤熱帯林、湿潤亜熱帯林、高湿潤亜熱帯林、亜熱帯雨林、湿潤山岳林(p100);DECOINは加えてもう一つの生物分布帯が影響を受けると見ている。それは高湿潤山岳林である。日本側による研究によると、鉱山開発は大規模な森林伐採、気候の変化、コタカチ・カヤパス・生態系保護区への影響、絶滅の危機に瀕している何種類もの動物への打撃、特に大型のほ乳類が”あさましい”森林伐採と爆薬の破裂音に影響を受けると予測される(p130)。(下記の影響を受ける動物の詳細リスト参照)

■その他の影響:
地震の結果、銅山開発で廃棄された鉱物や廃汚水が山肌を滝になって流れ落ちるという潜在的可能性に加えて、降水量も深刻な問題となるのは間違いない。科学者は地球の気候の変化のせいで、すでにエル・ニーニョ現象の頻度や激しさが増していることに言及している。このエル・ニーニョ現象は南北中央アメリカの全太平洋岸の生物に影響を与えている。過去何年間か、エル・ニーニョ現象は通常の降水レベルの1000%増しの雨をもたらした。この多量の雨はインタグ地域で深刻な地滑りを引き起こしている。そしてこれはほぼ確実に、フニンの銅山に開かれる廃棄された鉱物を入れておく立坑をあふれさせるだろう。フニンのEIAを請け負ったグループはこの事態を考慮に入れていない。しかも、彼らの通常の12ヶ月間の降水差の見積もり−いわゆる”乾期”に対する雨期の降水量が150%増−はいただけない。ラ・フロリダ−エル・プラセール保護林での記録によると、この二つのシーズンでの降水量の差は550%である。

■フニン地区で絶滅の危機に瀕する種:
1.ジャガー 2.メガネグマ 3.プーマ 4.オセロット 5.アンデスジカ 6.バク 7.コースタル・タピール(沿岸に住むバク?) 8.クモザル 9.ホエザル 10.バルサ(花)11.オソ バンデロン 12.山犬 13.パカラナ 14.アンデス・トーカン 15.カサドリ 16.ハイイロタカ 17.ハヤブサ 18.アカアシミツドリ       

これはほ乳類と鳥類のみを見た場合のリストである。さらに全体−両生類、は虫類、昆虫、植物−を網羅した徹底的な調査がなされれば、もっと長いリストになるはずである。

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無謀な鉱山開発からエクアドル・インタグの原生林を守ろう!
賛同団体/賛同人になって下さい!

 生物多様性という点でこの地球上の十大ホットスポットの一つと言われるエクアドル北西部、インタグの森が、いま、銅山開発の危機にさらされようとしています。この地域は今までも鉱山開発の危機に見舞われてきました(その最大のものはJICAと三菱マテリアルによるものでした)。今回の開発計画は、エクアドルのエネルギー鉱山省とチリの公営鉱山開発会社CODELCOとの間で進められているものです。地元の環境保護団体DECOIN(Defensa y Conservacion Ecologoca de Intag)からのSOSに応えて日本でも反対キャンペーンを開始することにしました。いずれはCODELCO、エクアドルのエネルギー鉱山省、チリの鉱業省に対するハガキ/FAXキャンペーンを行いたいと思っていますが、CODELCOの幹部が現地インタグを訪問する予定があるそうなので、取り急ぎメールで賛同団体/賛同人を募り、CODELCOにメール(並びに郵送の手紙)を(他二者へはコピーを)送ることにしました。

 以下、要請文(日本語・英語)とこのキャンペーン並びに主催団体の説明を付けます。要請文に賛同していただける団体/個人の方は下記の要領でこちらまでメールで送って下さい(メールがない方に勧めて下さる場合は、093-201-8398までFAXで送って下さるようお願いして下さい)。また、要請文自体へのご意見やご質問も歓迎します。上記のメールアドレスまでお願いします。

*********************************

賛同署名 団体名/個人氏名 ( )
メールアドレス( )TEL/FAX( )
住所(よろしければ。今後のキャンペーン情報をお送りします)
 (                                )
一次集約締め切り:2001年1月19日(金)
賛同署名送り先 wen@windfarm.co.jp またはFAX 093-201-8398
*********************************

ご協力を宜しくお願いします。

2001年1月11日
呼びかけ団体:ナマケモノ倶楽部(担当:馬場、大倉)
日本・ブラジルネットワーク(JBN)(担当:原後)

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解説:エクアドルとインタグ地域について

 エクアドルは、南米赤道直下にある、面積日本の約3分の2、人口約10分の1の小国です。しかし経済的にも貧しく政治的にも無力なこの国に、今、世界中の注目が集まっています。それはその類い稀な文化的・生物的な多様性のゆえです。

 有名な植物学者アルウィン・ジェントリ−は、この点でエクアドルを世界一と評し、また環境保護活動家アンニャ・ライトは、この国を地球規模の環境破壊の海に浮かぶ「ノアの方舟」にたとえています。エクアドル国内には3万5000に及ぶ植物種が認められています。6000メートルを超えるアンデスの山とそれを取り囲む山麓の雲霧林から、東部アマゾン源流地帯や西部海岸地帯の熱帯雨林まで様々な生態系がモザイクのようにこの国の国土をつくりあげています。また、10あまりの先住民族が人口約1200万人のうちの約42%を占めており、様々な方言を持つ13の言語が話されています。

 しかしこの地上の「楽園」エクアドルは同時に、近年世界で最も急激な森林破壊・土壌侵食に見舞われている国でもあります。石油採掘や入植のための道路が、アマゾン源流地帯の原生林の奥深くまで切り裂きつつあります。すでに9割以上の雲霧林が、マングローブ林が、そして熱帯乾燥林が失われたと言われます。エクアドルが世界の環境運動の一つの焦点となった理由がここにあります。

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解説:JICA・三菱マテリアルによる開発とDECOIN

 1991年JICA(日本国際協力事業団)の委託により三菱マテリアル(現地での呼称はビシメタル)がインタグ地区フニン村において鉱脈探索の試験採掘を始めました。地元の人達に全く情報を提供せず、反対運動の主張にも全く耳を貸さず、環境保護の法規制を無視した探索を7年間続けました。世界規模での手紙キャンペーンが始まり、また地元コミュニティが1997年5月、山中の採掘キャンプを人が出払っているときに機材を避難させた上で焼き討ちするという明確な意志表示を示したことにより、現在まで計画は停止状態で宙に浮いています(はっきりとした中止は表明されていません)。このときビシメタルが作成した環境影響調査書が反対運動の手に渡りましたが、それには銅山開発による砂漠化の進行や危険物質による川の汚染等が書かれています。

 その反対運動のさなかの1995年、DECOIN(Defensa y Conservacion Ecologoca de Intag「インタグの生態系の防衛と保護」)が誕生しました。メンバーはすべて地元インタグの住民で、反対運動を行いながら、自然や伝統的な文化と共生可能な発展の方法を自分たちのイニシアティヴで考え出しています。すでに、エコ・ツアーや伝統的栽培法による有機コーヒーのフェア・トレード、女性グループによる工芸品の開発などが実践にうつされています。今回の反対キャンペーンでもDECOINは主導的な役割を果たしています。

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カルロス・ソリージャからの経過報告

 CODELCOキャンペーンでは、中村さん、アヤ、亜美、悠やメグ(そしてナマケモノたち!)そしてケイボー、みんなに手をさしのべてくれてありがとうといいたい。

  世界中の多くの人達がインタグでの私たちの闘いを支援していることをCODELCOに見せつけることができれば、彼らもそうおいそれとはやって来れないだろう。彼らが考慮に入れる材料はたくさんある:銅の実質価格、新技術の開発、エクアドルの法規制(というか、まったく法規制がないこと)そして(なにより)今現在DECOINとAACRI(インタグ有機コーヒー生産者協会)がどれだけ弱いか、あるいは強いか。今のところ、私はよい手応えを感じている。しかし、もっと多くの組織や人達がここでの闘いへの支援を表明してくれればくれるほど、彼らが開発を諦める可能性は大きい。そう考えると、私たちはここでキャンペーンの手をゆるめることはできないのだ。全国的にも、私たちに対して多くの支援が寄せられている。

 私たちの運動が君や、ケイボー、雄太や他の組織の助けを受けて、私たちの手の届
かないところにまで大きな反響を及ぼしていることをとても嬉しく思っている。

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連帯メッセージ:パトリシア・モグエル

インタグ地方の支援のための手紙をすでにカルロス・ソリージャ宛に出しました。
私は国際的な組織の注目を少しでも引いて、協力してもらうために、ICO(国際消費者機構)に連絡をとって必要な情報を送ってみるつもりです。それに、彼らからの財政支援も得られたらいいと思っています。何がしかカルロス達のために貢献できたら嬉しいです。

パトリシア・モグエル(メキシコ、アグロフォレストリー研究者)

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CODELCO社・代表取締役宛要請文(原文)

January 26th, 2001
Mr. Juan Villarzu Rohda
Executive President, CODELCO
Huerfanos 1270
Santiago, Chili

Dear Mr. Rohda,

We are watching the fate of the precious primeval forest in Ecuador with great anxiety from the opposite side of the world - Japan. It's said that the region where your company and Ecuadorian government are trying to promote a mining project is one of the 10 greatest hot spots of this planet vis-a-vis biodiversity. Your mining project needs about 4,000 hectares of land, very wide roads which dump cars run along to the site and almost 5,000 immigrant workers and will leave behind 1,988 pounds of dangerous materials as waste products to get only 12 poubds of copper (we take these figures from the EIS by the Japanese International Cooperation Agency). It will destroy the virgin forest of north- west Ecuador (of which only 7 or 8% of its original size remains) and exterminate a lot of endangered species. We can't continue with this kind of developement which deprives the world of its natural resources.
The result of this reckless developement has begun to affect the world as seen in recent climate changes. The fate of the animals and plants which will be exterminated by the mining project is nothing but that of our own; the humanbeings all over the world.
Have you ever talked about your project with the local people? We know that the local communities have begun initiatives for alternative developement, denying such projects that destroy nature and choosing the sustainable way of life which will preserve nature and their traditional life style. We can't accept the idea that the national government can promote this project without the agreement of the local people who will be directly affected . Couldn't you have more respect for the human dignity of the local people by giving more attention to their ideas?
We call on you to stop this mining project, which is so destructive of the environmment and will benefit only a few people in the short run. If you don't listen to our call, we'll begin a much bigger campaign in Japan.

Keibo Oiwa; President of The Sloth Club
Yuta Harago; Director of The Japan Brazil Network
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also supported by these groups and individuals;
Wind Farm Co.,Ltd.
Organic Coffee, Inc.
World Ecology Network
Jubilee Kyushu on debt and poverty
Red de cooperacion mutua entre Japan y America Latena
Hand of Peace
Friend of the Earth
"aynu" to "sisam" no "ukocaranke" o zitugensaseru kai
Jabiluka Action Fund
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Akiyoshi Tanaka, Masami Yokota, Maki Tokuoka, Hideo Sato, Tetsuzo Takeuchi, Hisaaki Ikuta, Takahiro Kano, Yuki Hisada, Takeshi Yasuma, Shugo Hama, Takaki Imai, Yutaka Miyazaki,
Mizuho Izu, Takehito Kobayashi, Akisada Suzuki, Tomio Kawase,
Yoshikazu Torizuka, Tokuhiro Maeda, Keisuke Okabe, Yoko Yasui,
Yoshitaka Mochizuki, Susumu Goto, Naoto Shimaue, Terumi Terao,
Toshitaka Kawakita, Shigeru Takaki, Hiroyuki Tiba, Kaori Takise,
Tadashi Matsuda, ChiyonoTakayanagi, Akane Matsumae, KikuyoYamanouchi, Kimiyasu Imamura, Kohei Ishiguchi,
Kayoko Nakano,Saori Ariyoshi, Mariko Kimura, Misako Kumagai, Masazumi Horiguchi, Satoru Furuya, Yoshiko Suda, TakeoTamura, Hiroshi Kitamura, Noriko Kitamura, Mari Hoshikawa, Osami Nomura, Shunsuke Shimada, Yoshihiro Abe, Yukari Tamura, Akira Sugiura, Goichi Oiwa, Yuri Oiwa, Akiko Shimada, Isao Okamoto, Yu Tanaka,
Chika Matsushita, Megumi Taniguchi, Tsuyoshi Ishiwata,
Shihoko Niikawa, Tsuneo Tanaka, Ako Takahashi, Shizue Hirota, Yurika Watanabe, Kanako Fujimoto, Hideaki Kanemoto,
Hiroyuki Ota, Atsushi Yoshioka, Kenji Ago, Kazuyuki Watanabe,
Ken Nishimura, Haruko Ishikawa, Dr.Hosokawa Komei,
Kiyomi Nakamura, Koichi Tsuruta, Kiyoshi Shikikta, Kenichiro Baba, Shinichiro Ono, Yosuke Ozawa, Ryo Ueyama, Misao Yamagata,
Noa Yamagata, Satomi Nakajima, Yuka Kamiya, Aya Yodhimura, Michiko Katsuki, Richard J. Basso, Namiko Nanki, Minoru Nishiyama, Kimi Kobayashi, Miyuki Takizawa, Reiko Takeyama, Tomohiro Ando, Tomoko Watari, Yoshitake Sokai, Asami Usuda, Tomoko Mizonoe, Misa Kasuga, Haruka Souya, Fumiko Moriya, Maiko Shibata,
Chiaki Omori, Tomoko Fujiki, Kimiyo Kobayashi, Kazuhiro Yamada, Atsushi Kato, Namiko Morimoto, Yoshiko Mishima, Shiho Takamura (109people)
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We'll send you this sentences by ordinal letter, too.
We'll send a copy of this e-mail/letter the people below.

Mr. Pablo Teran
Minister of Energy and Mines
Ms. Jacqueline Saintard Vera
Subsecretary of Mines
MINISTERIO DE MINERIA de Chile
Mr. Carlos Zorrilla
President
DEFENSA Y CONSERVACION ECOLOGICA DE INTAG

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CODELCO社・代表取締役宛要請文(日本語訳)

CODELCO社
代表取締役
ホアン・ヴィジャルツ・ローダさま

私たちは遠く日本から、エクアドルの貴重な原生林の行く末を大変心配しながら見守っています。貴社とエクアドル政府が銅山開発を進めようとしている地域は、生物多様性の点で地球上の十大ホットスポットと言われています。貴社によるプロジェクトは約4000ヘクタールの敷地と、ダンプカーが行き来する大型道路と、約5000人の入植者を必要とし、且つ、たった12ポンドの銅を得るために1988ポンドもの危険物質を廃鉱としてそこに残していきます(以上の数字はJICA(日本国際協力事業団)による環境影響報告書EISに基づいています)。この銅山開発は、わずかに残された(もとの面積の7〜8%)北西エクアドルの原生林に壊滅的な被害を与え、多くの稀少生物を絶滅におい込みます。今までの様な、自然から奪う一方の開発はもう限界に来ています。すでに乱開発は気候変動という形で世界中に影響を与え始めています。銅山開発で滅ぼされる動植物の運命は、即、私たち世界中の人間のものでもあるのです。

 あなた達は一度でも現地の人と直接話をしましたか? 地元インタグでは、自然を壊す発展はいらないと、地元の人達自身のイニシアティヴで代替的な発展への取り組みが始まっています。国の政府だからといって、直接影響を受ける地元の人達の同意なしにそのような開発を進めてよいのでしょうか? もう少し、地元の人達を尊重して彼らの意見を採り入れてはいかがでしょうか?

 私たちはこのように破壊的で、一部の人間だけが短期的な利益を得るだけの開発の中止を要求します。この要望を聞き入れていただけない場合は、日本において本格的なキャンペーンを開始するつもりです。

賛同団体9団体・賛同人109名:割愛

このメール/手紙は以下の方達にもコピーを送っています。

エクアドル、エネルギー鉱山大臣パブロ・テラン氏
チリ、鉱業省事務次官ジャクリーヌ・サインタルド・ヴェラ氏
DECOIN代表 カルロス・ソリージャ氏 

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カルロス・ソリージャからのお礼メール

親愛なる友人達へ

 私たちの母なる地球を守るという崇高にして困難な作業に参加するのには、確かに色々な方法がある。それについて語る人はたくさんいるが、その人達はただ語るだけである。多くの人が何か行動したいと思っている。その気持ちにいつわりはないにしても、何もしなければ、その人達は結局は何も貢献しなかったということになる。多くの人達が問題を解決するための試みとして、資源のリサイクルに取り組んでいる。

 しかし、地球環境の保護という問題を解決するために必要な貢献というのはそのようなこととは全く違う次元のものなのだ。それは私たちの日々の生の中に刻み込まれていなければならない。それはそのことを話題にしたり、たった一回きり何かをするというようなことではない、自分たちの一部であり、私たち自身から切り離せないものなのだ。

 あなた達の「献身」が以下に大きいかは、インタグが鉱山開発の破壊的被害を免れ、これからもずっとそのような被害を受けないですむよう支援し続けるというあなたたちの取り組みにはっきりと表れている。

 ありがとう。世界はもっとあなた達のような人を必要としている。

カルロス・ソリージャ
DECOIN
Defensa y Conservacion Ecologica de Intag

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たくさんのご賛同をありがとうございました

 エクアドル・インタグの森林を守るため、チリの鉱山会社に開発差し止めを要求する要請文に賛同いただいてありがとうございました。

 主催2団体に加えて、9団体、109個人というたくさんの賛同を頂きました。また、多くの方に、ご自分が加入しているメーリングリストで呼びかけて頂いたり、学校のクラスや職場で呼びかけて頂きました。

 本日(2001年1月26日)みなさんのお名前を付記して電子メールを送信しました。月曜日に同内容のエア・メールを発送する予定にしております。

 賛同呼びかけ文や要請文の内容に対しても、多くのアドヴァイスを頂きました。こちらが作成した文章が拙く、色々と必要な情報が伝わらなかったりしたことをお詫びします。

 いろんな人がいろんな視点でたくさん要請を送ればより効果的だと思います。みなさんがそれぞれのイニシアティヴで、COLDECOやエクアドル政府に手紙を書いていただければ嬉しいです。

 今後の活動の展開ですが、ナマケモノ倶楽部世話人の中村隆市が2月はじめに現地を訪問し、カルロス・ソリージャと話しあってくることになっていますので、その情報をふまえて決めていきたいと思っています。残念ながら、現地の予想では闘いは長引くだろうということです。みなさんから頂いたご意見、アドヴァイスは今後の活動の参考にさせていただきます。

 それでは、いずれまた新しいキャンペーン情報を送らせていただくと思いますが宜しくお願いします。

2001年1月26日
ナマケモノ倶楽部 担当・馬場、大倉
日本ブラジルネットワーク

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インタグSOS最新情報:2001年3月〜世話人・中村隆市

 私たちナマケモノ倶楽部の一行がエクアドルに到着した2月上旬、エクアドルでは国を揺るがす民衆運動が展開されていて、主要な道路は民衆によって封鎖されていた。

 ことの発端は、ドル化政策に加えて、IMF(国際通貨基金)の圧力で大統領がガソリン、ガス、運送品などを値上げしたことに民衆が反発。先住民や小農民など、弱い者ほど苦しくなる政策に 怒りが爆発した形だ。

 先住民と治安当局との衝突で死傷者も出ていたので、私たちは普段は通らない裏道や山道を通ってインタグに行くことを決め、「一か八か行ける所まで行ってみる」ことにした。何が起こるか分からない状況だったので、ナマケモノ倶楽部メンバーのうち、3人がインタグ行きを断念。3人が環境保護団体DECOINの ソーニャ副会長と共に、オンボロジープに乗り込み、インタグに 向かった。

 それほどに今回のインタグ訪問は重要だと私たちは考えていた。 裏道といわれるだけあって、でこぼこ道や土砂崩れ、崖崩れなど 大変な悪路だったが、途中雨が降らなかったのが幸いだった。私たちが夜遅くに、インタグの中心地アプエラに到着すると、到着の遅れを心配していたDECOINと有機コーヒー生産者協会の役員が満面の笑顔で出迎えてくれた。
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<DECOIN(デコイン)及びインタグ有機コーヒー生産者協会役員の話の要約>
2001年2月6日〜9日*インタグでの銅山開発問題再発の経過と現状について(お話:カルロス・ソリージャ会長)キッカケはエクアドル政府がチリに行って世界最大の銅採掘会社CODELCOを訪問し、インタグのフニンを売りに行ったことにある。1月にCODELCOがフニンを訪れるという情報があり危機感が募っていたが、反対運動の盛り上がりと現在、国際的な銅価格 が安いことが開発をどうするか見守っている理由だろう。日本の皆さんの力強い意志表示や国際的なサポートが、フニンの環境問題に対するエクアドル内外の人々の関心をさらに高めていて、開発に踏み切らせない大きな力になっていると思う。
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*鉱山開発や森林伐採を防ぎ、森林を増やすための、デコインの取り組み
1.エコツアーとホテル建築プロジェクト
 現在、デコインが木材を提供して、フニンに16人が宿泊できる竹のホテルを建築中。このプロジェクトに22世帯中、37人が参加し協力して作っている。9000ドルの費用で、4月くらいに出来上がりそう。6月から12月頃までが乾期でエコツアーを組みやすい。今、2人の若者がガイドを勉強し、主婦が料理の勉強をしている。エクアドル内外 の多くの人にフニンを訪れてもらい、森林保護、環境保護に関心を持ってもらいたい。

2.小規模水力発電プロジェクト
 電気がない地区に、安い小水力発電機を中古部品で作りたい。1万ドルあれば、一つのコミュニティ全体(25世帯)の電気をまかなえる。(1世帯あたり0.5kwの使用で計算)トルビーナという機械を1200ドルで作ったが、企業は2万ドルで売っている。コタカチ市からもセメントや針金の支援がある。テスト的に水力発電を利用したデコインメンバーは「15〜20年かけないと電気を引っ張ってくることができない。 そうした地域に、こういう開発も可能だということを示すことで住民が希望を持ち、若者が都会に出ていくことも少なくなるだろう。」

3.コミュニティの森と植林プロジェクト
 個人でなくコミュニティで森を買うプロジェクトをすすめている。山の上の水源地でもあり、環境だけでなく水の保護もできる。インタグのコミュニティには水問題があり、デコインが水源地を買う資金を与えている。少なくなった森を増やしたい。エコツアーのため にも森を増やす必要がある。銅山開発問題、環境、森を守る知識を 蓄積する必要がある。銅山開発を狙って、外部から土地を買っている人間がいるので、できるだけ多くの土地を共有地にしたい。

 今、900ヘクタール買っていて、残り800ヘクタールの水源地を 買いたい。コミュニティの名義にすれば、政府も土地を取り上げにくくなる。政府に対抗できる力をつけたい。水源地を保護すると、植物の多様性があるのでシードバンクにもなる。

4.環境教育
 木を切る、焼く、農薬を使用する人たちを変えるために環境教育をスタートした。20人のコミュニティで環境教育プログラムが始まり、人形劇でメッセージを伝えている。8〜10才の絵のコンクールもやり各学校から1人選ばれてバイア州のリオ・ムチャチョ環境学校に行ってきた。その子どもが戻ってきて、子どもだけでなく大人にもいい影響を与えた。その選ばれた中で最もいい絵(神様と自然の絵)をポスターにする予定だったが、お金が足りずに作れなかった。お金があったらもっと広い地域で、物語、作文、詩などのコンクールもやりたい。デコインは環境教育を重視しているが、学校は環境教育自体をよく知らない。日本で10月に開催されるフィエスタ・エクアドルで絵を展示してデコインの活動を伝えたい。

*どのプロジェクトも大変重要な意義深い取り組みだが、いずれも資金不足であり、有志の皆さんからの支援を募っている。

<プロジェクトへの寄付は、ナマケモノ倶楽部までお送りいただけば、スタッフが現地へ訪れる際に、お届けすることができます>
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*今後の活動について

 鉱山開発勢力との闘いは長期戦になると考えている。そこで、10月に日本で開催されるフィエスタ・エクアドルや来年9月にエクアドルで開催される有機コーヒー国際会議などでも、森林保護と森林保護と持続可能な発展の重要性を訴えていきたい。そうした運動に加えて、重要になってくるのが持続可能な発展の柱となる有機農業の推進だ。インタグの農民で組織されているAACRI(インタグ有機コーヒー生産者協会)はデコインの協力 によって設立されたが、現在、会員が順調に増えて約250名になった。

 2年後には500名を目標にしているが、その目標を達成するためにも、 日本とのフェアトレードを成功させることが重要だと考えている。有機コーヒーの売上は農民の生活を安定させると同時に、その売上の5%が デコインの活動費にもなっている。

 3年ほど前の国連調査によると、インタグのアプエラ地区では46%が食べていくのに十分な収入がなく、89.6%が貧困ライン以下であるとの 結果が出ている。こうした経済的な貧困を抱える地域では、ただ単に「子どもたちに美しい自然を残したい」と訴えるだけでは、鉱山開発をくい止め続けられない。フェアトレード等による収入の確保と合わせて、なるべくドルを必要としない生活が必要になってきている。ドル化やグローバリゼーションの影響で物価が値上がりし、生活が圧迫される状況の中で、なるべく豆や野菜、果樹など多品目を栽培する自給自足的な農業が重要だと考えている。たとえ家族単位の自給が困難でも地域での自給率を高めたり、さらには周辺地域との物々交換によって、ドルを必要としない生活を創り出そうとしている。

*後日、アウキ知事と会談したとき「来年のコタカチでの有機コーヒー国際会議では持続可能な発展の例として、コタカチで5000人が参加している金を使わないモノの交換運動が報告されるでしょう」とアウキ知事自身が語っていました。

 JICAや三菱から始まった銅山開発反対運動は、闘いが長引くなかで「持続可能な生活を創る」運動にもなりつつあります。今後もインタグからのSOSがあれば、できるだけ支援していきたいと思っています。

 皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。(中村隆市)

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