アンニャ・ライト　コンサートツアー2001

今年もアンニャのライブ･ツアーがはじまります！
子育てに奮闘するかたわら製作したアルバム『PACHA MAMA』から、森のメッセージ、母のメッセージ、エクアドルへの思いを聴かせてくれます。各地で行われるフィエスタ･エクアドルに参加しながら、ツアーを敢行します！

■アンニャからのメッセージ（2001.08）

みなさん、お元気ですか？日本から南米赤道直下の国エクアドルに移り住んで、３年になります。私の住むコタカチは、ふたつの聖なる山、インバブラ山とコタカチ山に挟まれたアンデス高原の町。近くには、青く澄んだクイコチャ（神の湖の意）があり、さらにその向こうには、生物の宝庫、雲霧林の森が広がっています。そこから吹いてくるすがすがしい風が私の毎日を祝福してくれます。 　今年の３月、私は大地から新しい命を授かりました。その女の子に私とパートナーのマルセロは、パチャと名づけました。パチャとは、キチュア語で「大地」とか「宇宙」という意味。毎日私は、私の腕の中のこの新しい命に向かいあっては喜びにひたっています。

　友人たちから「なぜエクアドルなの？」と聞かれます。私にとって、エクアドルとは、地球を覆う環境破壊の大洪水の中に浮かぶ現代の「ノアの方舟」です。それは世界で最も豊かな生物多様性と文化多様性に恵まれた場所。例えば、日本の約３分の2、世界の0.2％にしか過ぎないこの国に、全植物種の10％が確認されている。また日本の約10分の1の人口の中に、13の異なる言語を話す人々が住んでいる。ガラパゴス諸島の海辺から6000メートル級のアンデスの山々まで、熱帯雨林から氷河まで、さまざまな気候と生態系がモザイクのように組み合わさってできているのがエクアドル。

　自然の楽園エクアドルは、同時に激しい破壊の現場でもあります。特に最近は世界中で最も急速な森林破壊、出生率増加、土壌侵食に見舞われている。すでに90％を越える原生林が失われたと言われます。自然破壊は日々難民を生み出し、共同体の崩壊、貧困が深刻化しています。

　今、エクアドルは分かれ道にさしかかっている、と私には見えます。グローバル経済がこの国に押しつけようとしているような、強引な乱開発による「豊かさ」をとるか、自然や文化の多様性を破壊しない持続可能な発展による真の豊かさをとるか。この2番目の道を選び、伝統に根ざした環境型の地域づくりを模索する動きが各地で起こり、次第にひとつの大きな流れとなるのを私はこの目で見てきました。私もこの流れ、「もうひとつの道」に賭けようと思うんです。みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。

For Life, Anja Light

■ツアー日程