コタカチ郡について |
コタカチは、エクアドルの北アンデス山脈に位置する地域(郡)です。(先住民族、メスティソ、そしてアフロエクアトリアンからなる)コタカチのコミュニティは、先住民族の知事アウキ・ティテュアニャ氏をリーダーに、直接参加型民主主義の実現に積極的に取り組んできました。
地球上には脅威にさらされているホットスポットと呼ばれる地域が25カ所あり、コタカチ郡にはこの内の2つが含まれています。これらの地域における森林破壊率は、エクアドルアマゾン地域の森林のそれを遙かに超える勢いです。
植民地化という過程は、今日まで、自然のシステムに最も大きな影響を与えてきたものです。しかし、現在は、鉱山のような搾取開発的な産業による脅威が増加しています。鉱山の試掘や探索は、脅威にさらされている雲霧林においてすでに始まっているのです。そして、これを後押ししているのは日本のODAや世界銀行です。このような開発は、地元のコミュニティの参加や支援を無視して行われてきた典型的なものと言えます。
コタカチのコミュニティは、破壊的な開発に代わるオルタナティブなものを積極的に探し、これに関わる活動を率先して行ってきました。この動きの中で大きな成功を収めた1つが、組合(300世帯以上のメンバーを抱える)による日陰栽培の有機コーヒーを販売することです。これらのコーヒーを日本へ輸出することは、コタカチのインタグ地区に暮らすとりわけ貧しいコミュニティにとって、選択の自由を生む確固たるオルタナティブな収入源となっています。
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生態系保全自治体(Canton
Ecologico) |
参加型政治を通じて、コタカチの人々は、この地域が「生態系保全自治体」を宣言することに満場一致で賛成しました。彼らは生態系に関する厳しい条例を可決し、地元と国際レベルの両方で生態系保全自治体を増やしていくプロジェクトを率先して行っています。生態系保全自治体というのは、地元のコミュニティに利益をもたらす持続可能な開発計画や経済活動によって、コタカチが自然や天然資源を守り、持続的な社会をつくり上げていくことをサポートするための法的機構と言えます。
コタカチ地域は、社会的およびエコロジカルなものに関して先駆的な高い意識を持っています。つまりコタカチは、エコロジーで社会的にもやさしい開発システムの理想的なモデル地域となっているのです。私たちは、世界各国のこうしたさまざまなイニシアティブ(先駆的な考え方やその例)を紹介し、地元のコミュニティだけでなく、エクアドル国内や世界のさまざまな地域から参加する人々に対して、オルタナティブな開発を選択するということを訴えていきたいと考えているのです。
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