12月8日ナマケをはじめる、パーティ!
すなわち、ナマケはじめParty!!@カフェスロー
13:00開場、14:00〜17:00
■プログラム
創造するお金、地域通貨ナマケのお披露目。
辻信一×阿部芳裕さん(レインボーリング代表)スローマネー対談♪
「ナマケ」によるフリーマーケット(出店者募集中)
エクアドル報告会!
■ 参加費
1000円あるいは500円+500ナマケ
■お問合せ
カフェスロー 電話042-314-2833(渡邉)
ナマケモノ世話人より、「ナマケ」登場のお知らせ
最近世界には三つの、妙なうわさが流れていました。まずイラクとか北朝鮮とかという国が何かを開発しているらしいといううわさ。そしてあのナマケモノ倶楽部が、また何かうさん臭いものをつくっているらしいといううわさ。前のふたつはともかく、第三のうわさは、実は本当のことだったんです。
その名はナマケ。それはナマケモノ倶楽部の超「危険そ〜な」通貨です。
通貨とはお金のこと。お金とは何か、それはベルナルド・リエターさん(『マネー崩壊』日本経済評論社、『マネー』ダイヤモンド社参照)によると、「あるコミュニティにおいて、ある『何か』を交換の媒体として使おうという、一つの取り決め」。だからナマケは、ナマケモノ倶楽部において、何かを交換の媒体として使おうという取り決めのこと。
で、その「何か」とはこの場合、これまでに世界の様々な文化や社会で使われてきた、貝殻とか象牙とか米とか琥珀とか金とか銀とかの代わりに、エコパペルの紙幣とタグアのコイン。
エコパペルもタグアもすでにナマケモノ倶楽部がフェアトレード商品として扱っているので、会員のみなさんにはおなじみだと思います。エコパペルとは、エクアドルの沿岸部の町エコシティーとして知られる、バイア・デ・カラケスで作られているリサイクル紙です。エビ産業の急増によってマングローブの森が破壊され、それを生活の基盤としていた人たちが難民化しましたが、この人々の生活基盤の再生をするために考案されたのがこのエコパペルです。それまで町で捨てられていたごみを収集し、リサイクルし、それを商品化することによって、今少なからぬ雇用が作り出されています。このエコパペルで作られているのが、100ナマケ紙幣と500ナマケ紙幣。
表には100あるいは500の数字の前に単位を表すナマケの「N」がありますが、良く見ると、そのNの右上に怪しげな三つ指が生えています。その下には、「in
Gaia we trust」の文字。これは畏れ多くも、米ドルにある「in God wetrust」(神の信任にかけて)をもじったものです。
裏面には、エコパペルの考案者でもある、ナマケモノ倶楽部の仲間たちニコラとダリオが経営するリオ・ムチャーチョの環境小学校の教室にある次のような詩がスペイン語のまま印刷されています。
人が最後の木を切ってしまった時
人が最後の川を汚してしまった時
人が最後の魚を食べてしまった時
その時!
人は気づくだろう、お金は食べられないということを |
この詩の下にはフニン村の住人藤岡亜美さんのイラストで、森の木に三つ指を差し伸べるナマケモノ。普通、国家の紙幣というものは破損しにくいものですが、このナマケ紙幣の特徴は水に弱く、破れやすいことです。まちがって洗濯するときれいに消えてなくなるでしょう。簡単に土にかえります。
次にタグアのコインです。タグアとは象牙ヤシの実(アイヴォリー・ナッツ)のことで、かつて高級ボタン材として使われたこの材料が、今、象牙に代わる持続可能なフェアトレード商品として注目されるようになっています。タグアを使うことには、象の保護という意味もあるし、またナマケモノ倶楽部の仲間である坂本龍一さんが唱える「エレファンティズム」の思想につながるという意味もこめられています。このコインには虹のように7色があり、また中央の穴にも丸、四角、三角の3種類があり、また手作りのため、色にむらがあったり、穴の大きさがまちまちだたりもしますが、どれもみな同じ価値の1000ナマケです。そこは遊び心、プレイフル、沖縄でいう「テーゲー」なのです。
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エコパペル紙幣の裏側 |
タグア硬貨 |
さて、通貨ナマケのメカニズムについて説明しましょう。まず、ナマケ紙幣とコインをナマケモノ倶楽部事務局が、エクアドルから適正な、つまり生産者と我々の双方がフェアだと感じられる価格で買い入れます。
そしてそれを会員に売り出します。その場合、基本的には1ナマケは1円とします。例えば、事務局が10万ナマケ分の紙幣やコインをエクアドルの生産者から買う。その原価と諸経費(運賃、通信費、その他の事務経費)が1万円かかったとしましょう。10万ナマケを会員が買います。ある人は3000ナマケを3000円で、5000ナマケを5000円で、というふうに。
全部1ナマケ=1円のレートで売れると(時にはディスカウントがあったり、流通を促進するための特別キャンペーンがあったりしてもいいでしょう)、10万円が事務局に集まります。事務局はそこから原価+諸経費の1万円を差し引いて、9万円をそのまま「エクアドル環境基金」(仮称)として口座に入金します。この基金にはその管理と運営のための運営委員会(若干名)をおき、その委員長を暫定的にナマクラ世話人でありエクアドル在住のアンニャ・ライトにやってもらいたいと思います。
基金の使いみちを報告するのはもちろん、紙幣やコインにかかった原価、経費なども買い入れの度に、事務局が報告します。つまり、何の秘密もない情報公開でいきましょう。通常の貨幣をとりまく神秘のベールはありません。ところで皆さんは日本の1万円札が原価20円以下だというのを知ってますか?
予測できないいろいろな不都合が起こるかもしれませんが、そこはナマケらしく、その都度のんきに修正していけば良いでしょう。コインや紙幣のデザインなども、都合や気分によって変えていけばいいでしょう。紙幣のデザイン・コンテストをやって作品を募集してもいいですね。1等賞には1万ナマケを差し上げます、とか。
まぁとにかくやってみましょう。たのしく、のんびりとぼくたちのささやかな革命をはじめましょう。
ナマケモノ倶楽部世話人
辻信一、 中村隆市
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