地域通貨「ナマケ」 トピックス
【レポート】 ライフスタイルフォーラム2007 課題別フォーラム
食でつながるコミュニティ〜わたしのスローカフェ・ムーブメント
好きなことと社会にいいことをつなぐ働き方の選択肢のひとつとして、ゆっくり広まっている「スロービジネス」はいのちを大切にする仕事です。食はいのちを頂くことでいのちを育み、日常の豊かな暮らしを彩る「スローカフェ』は、食を通じて、人と自然のつながりを育んでいきます。
「食」を実践されているゲストをお招きし、『食でつながるコミュニティ』としてわたしたちのライフスタイルにある人や自然とのつながり方を共有しました。
◆広がるスローカフェ・ムーブメント
ナマケモノ倶楽部は「ナマケモノになろう!」を合言葉に1999年に発足した市民団体(NGO)です。環境+文化運動+エコビジネスという3分野の融合をめざしたスロームーブメントを提唱・実践してきました。
スローカフェは、空間としての居心地の良さや、食の美味しさや安全性だけでなく、地球に負荷をかけないエコロジカルなライフスタイルを提案しています。年々高まってきている、スローカフェ・ムーブメント。スローカフェを始めたい人が北海道から沖縄、そして韓国や台湾など国内だけでなく海外へ広がりをみせています。
『食=いのち』。食をいただく場は、カフェや地域だけでなく、日々のライフスタイルの中に食卓として訪れます。まずは、人と自然そして地域と環境にやさしい、食に対する自身の取り組みを紹介していただきました。
◆豊かさを身近に感じる
吉岡淳さん(カフェスロー代表)
吉岡淳さんは、オーガニックな食などを提供するだけでなく、情報発信の場として地域や世界とのつながりを大切にするお店「(有)カフェスロー」の代表を務めています。
カフェスローではまず食を大事にし、食べる人にとっての食だけでなく、作る人にとっても安全で安心、そして地域とのつくる場所である地球もそのものが汚染されないで安心、と云う事を目指して食を提案しています。
そしてそれだけではなく、なるべく近くの地域で取れたもの(地産地消)を使い、材料も地域の人から購入します。例えば、「カフェで取り扱うコーヒーも農薬を使わない無農薬のフェアトレードコーヒーを使い、飲んでもらうことがその人たちの生活を守ることにも繋がっている」とお話いただきました。
この地球に暮らしていながら、ステキな地球を壊さずに楽しく豊かな生活をおくることを身近に感じてもらうお店として、地域に暮らす人・お店を目指して訪れる多くの人から支持されています。
◆自給自足より他給自足
望月南穂さん
(食といのちの楽耕)
「食といのちの楽耕」代表の望月南穂さん。以前は、広告制作会社に勤め、ファストな生活を送っていましたが、好きな土いじりをする為に田舎に家を購入し通っていました。
ファストな生活を過ごす中で、集落の環境の大きな変化、身近なところでの若い人が沢山亡くなると云った心を痛めた出来事をきっかけに、「昔の集落環境を少しでも取り戻したい、自分の手で食をつくると云う原点を学ぶことによって、若い人たち生きる力、心に桑を入れて風通しの良い体とになると良い」と考えました。
そして、ご自信の住まう房総を中心に、「農」のもつ多くの価値や機能、そして新たな役割に着目し、暮らしの真の豊かさを多くの人たちと学び合い実践するための、場づくり、機会づくりを目的に活動をされています。
自給自足ではなく『他給自足』がお勧め。オーガニックライフは敷居の高い哲学ではなく、本来の意味は繋がっていく有機的に繋がると云う意味なので、なるべく繋がりを沢山生む、食も同じでなるべく多様で利用できる物を育てると食生活も豊かになる。「そして、それは人も同じ」とまとめていただきました。
◆
You Are Never Lost.
高樹沙耶(女優/Free Diver)
高樹沙耶さんが、女優に司会にと活躍を続ける中、海のそばで持続可能な生活へとエコシフトし始めました。きっかけは、オーストラリアの先住民アボリジニとFree Divingです。
アボリジニと過ごした3日間で、地球上には何でも全てが揃っていて、必要なものが必要な時にちゃん自分のところに来るようになっているのだから、集めてはいけない。一つのところの集めてとどめてしまうと、足らない人が出てきてしまう。だから、確保する必要はないんだよ。「You Are Never Lost.」と教わりました。
また、Free Divingでは、日本の海に潜った際に汚れに気がつき、「陸で私たちの生き方が海に反映しているんだ」と肌で感じました。そのことから、大地と共に生きる、人として地球の中で正しく生きることはどういう事なのかと真剣に考えるようになったと振り返ります。
最近では千葉にエコハウスを建て、野菜や米を作りどれだけ自給自足が出来るのかと云うことにチャレンジをし、勉強中です。人に今までと違う生き方を共用するのは一番難しい。けれど、本当に良いものであれば、「ちゃんと自分が行動すれば思ったより早く転換していくんだ」と感じる日々を過ごしています。
◆食は人と自然と地域のつながり!
食への関心は幅広い年齢層が持っているのと同じように、若者、子供連れの家族、年配の方たちと参加された皆さまも幅広く、また、熱心に耳を傾ける姿と笑顔の多さが印象的でした。
高樹さんは、「自然の中で触る・見る・嗅ぐと云ったゆっくりとした時間を過ごすことは、五感を刺する」と話し、望月さんは「食は誰にも必要なもので関係を作るときに良いことと、自分で作ってみると大切さが分かる」と話されました。自然と触れ合い、育て、作り、食べることで、人と人、人と自然のつながりを育んでします。
また、地域とのつながりについて「スローカフェは、様々な人とのコミュニケーション場であり、情報を発信し集める場所としての多様なコミュニティセンターとしての役割を担っている」と吉岡さんは話します。
「育てる・買う・作る・食べる」といった誰の生活の中にもあるつながり。今よりも少し意識をすることで、贅沢ではなく本当の「豊かさ」のある生活へと変わっていくのではないでしょうか。わたしたちにとっての「スローカフェ・ムーブメント」。これからどの様なつながりが育まれるか楽しみです。
■関連団体ホームページ
・ナマケモノ倶楽部/・カフェスロー /・食といのちの楽耕 /・高樹沙耶
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