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【レポート】《チェ・ゲバラ長女「アレイダ・ゲバラ氏」来日イベント》
       ピースローカル☆Revolution〜小さな国の大きな奇跡〜

なまくるレポーター井ノ上裕理です。
5月18日(日)≪チェ=ゲバラ長女「アレイダ=ゲバラ氏」来日イベント≫
ピースローカル☆Revorution〜小さな国の大きな奇跡〜へ、
大学や高校の先生にチェの話をする先生が多いことや、地産地消、有機農、
軍事力に頼らない外交政策など、いろんな視点からキューバが
気になってたので、どんなお話しがきけるだろうとワクワクしながら、
大学入学したての後輩を連れて参加しました。

まずは映画『コマンダンテ』の上映。
DVDの販売やレンタルしているのでぜひ一度観て下さい。

上映前に、司会者が
「アメリカは軍事を輸出しているがキューバは医療を輸出している。では日本は?」
というメッセージを紹介。
カストロの言葉を聞きながら、キューバの政策と比較しつつ、
日本はどこへ向かうのか、日本という「国」をこれからどうすべきなのか、
考えさせられました。

映画では、歴史の教科書には載らないフィデル=カストロの人柄や思想がわかりました。
印象的だったのが、若者(特に学生)に人気で、学校訪問にいくと
取り囲まれるシーンと、撮影の最後に監督やクルーを空港までわざわざ見送ったこと、
「歴史は相対的である」という言葉でした。
エンディングは、ホセ=マルティー作詞の「LA GUANTANAMERA」。
 
休憩中は、ブースをまわりました。

アレイダ=ゲバラさんの本、SWCや
ハチドリグッズ、9パンもあり、
賑わっていました。

小児科医でもあるアレイダさんが、日本に向かう機内で急患の手当をしたエピソードを、
在日キューバ大使館の方が紹介すると、アイレダさんは「私は皆さんと同じ"人"であって、
医者として、困っている人を助けるのは当然のこと。
また、チェがそうであったように、人が偉大かどうかは、本人がどれだけ社会に
貢献するかである。」と言って話を始めました。

チェ=ゲバラがとても誠実で向上心があり、常に理論と実践を意識し、
行動に移していたことを、チェの日記や、アレイダさんがtio(おじさん)と呼んで
慕っているカストロから聞いた話をもとに、話していきました。

若いころ南米を旅するなかで書かれた日記の中にある、「その国を知るためには、
そこに生きる人々とともに暮らし、一緒に汗を流して初めて、いいところ悪いところがわかる」
ということばや、「モノの生産だけでなく、意識の発展も一緒になされなければ、
発展の意味はない」といって、教育などに力を入れ、知識の向上と社会貢献を訴え、
チェ自身も実践していったことなどが印象的でした。

国益や私利私欲ではなく、国民の視点に立った政治を目指していたことが伺われます。
 
学問も仕事も革命の戦いのときも、
常に先頭に立っていて、「誰かに
何かしてほしければ、まずは自分がやる」
という精神が、彼を歴史的人物にした、と
アレイダさんはいいます。

武力や暴力によって変えることに抵抗は
感じますが、チェ=ゲバラの生き方の
姿勢には、学ぶところは多いと思います。

映画のなかでカストロは、「自分は
キューバ国民の奴隷」といっています。

また、チェと日本との関わりにも驚きました。
1959年に初めて広島を訪れて、カストロや自分の
側近たちに広島を訪問することを勧めています。

この年16名が原爆症で亡くなっていることに驚き、
「復興しても、広島、長崎の死者その怒り、悲しみを感じる」
といって、広島の印象を、「被爆者の死の上に新しい建った、
陰のある街」と表現しています。

それから約50年たった今年、講演の2日前に広島を訪れたアレイダさんは、
同じことを感じたといいます。
「原爆の被害が正当化されてしまうことがあるが、それはあってはならないこと。
次世代に伝えること、被爆者の声を世界中に広めることで、世界平和が実現する」。

59年の日本への旅で感じた日本について、ゲバラはこんなことを書き残しています。
狭い土地で多くの人口を食べさせなければいけない。
農家だけでは成り立たず、都市に出稼ぎにいくが、その工場はまるで
蟻の巣のように密集している。
安いものをより安くする癖があり、大手会社はライバル同士張り合ってる。
国や国民ではなく自分の会社の利益のために戦う企業。
このまますすめば、この国はめちゃめちゃになるだろうが、
そのときの被害は市民に向かうだろう。

日本を中心に核の軍事を広げていようとしている。
核兵器で世界の頂点に立つアメリカだが、害のある爆弾でアジアを
傷つけるのは許せない。

59年当時と、今は、何が変わったでしょうか。
トークの最後に、ホセ=マルティの「幸せについて」という言葉を紹介してくれました。

「幸せというのは、地球上に存在する。
それを獲得するには、日々の小さな実践が大事。
常に寛大な心で、続けること。」

大事なのは継続、実践、それを見せること。
チェの実践を受け継ぐことで、チェは生き続ける。
 
次の、辻さんとの対談では、アウキ御夫妻
との交友関係、キューバの医者が各地に
派遣されてであった中南米の先住民のことを
本にする話、キューバの食文化、キューバ
人のルーツの話など、興味深い話をたくさん
きけました。

中でも印象的なのが、時間のすごし方。
日本に比べて中南米では時間が
たっぷりあって、時間がゆっくり流れる
イメージがあるが、それはなんなのか?
という辻さんの問いに対して、
時間を使って「生きる」ということを
大事にすること、時間の使い方は

社会に自分がどのように貢献できるか
子供達と接し、彼らが何をしなければ
  いけないかを教えること

に費やすことが大事だ、ということでした。

キューバでも最近時間が速くなってきたが、
音楽があることで、経済制裁、貧困など辛いことがあっても
明るく乗り越えてきたそうです。

といって、いきなり歌いだすアレイダさん!
会場は一気にコンサート気分になりました。

「時間は、音楽、唄、そして愛することに使う。」
これが、愛し合うことには世界のどこにも負けないという、キューバ人の鉄則。
なんだか嬉しくなりました。

そしてもうひとつ、見習うべきキューバ人の姿勢は「つながり」を大切にすることです。
キューバの医者はたびたび、薬よりも患者とのコミュニケーションが大事と考えます。
また、問題がおこると、さまざまな専門分野の人々がクループになって、
互いに影響しながらつながって解決していきます。
他の文化にも関心を持ち、常に学ぶ姿勢が大事だといいます。

最後に、「チェ=ゲバラは未来の人間、行動できる人間」と歌う、
シルビオ=ロドリゲスの綺麗な唄を、照れながら歌ってくださいました。
 
アレイダさんを通じて、
いまだに続くチェ=ゲバラ人気の理由、
そして、人々の心に今も生きている
チェ=ゲバラの存在が、
感じられた気がしました!
ナマケレポーター:井ノ上裕理@なまくる
写真:ゆっくり堂

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