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【レポー
ト】
【祝・国際生物多様性デー】
生きものの声を聴く 〜森林農法とフェアトレード
こんにちは。ナマケレポーターのきくです。
5月22日(土)は国際生物多様性デーということで、カフェスローでは、ナマケモノ倶楽部によるイベント「祝・国際生物多様性デー 生きものの声を聴く〜森林農法とフェアトレード〜」が行われました。わたしも参加してきましたので、ご報告させていただきます。
この日はお祝い事がたくさんあり、まず、カフェスローが成立9周年、そして、新しくカフェスローの隣にできた、国産の有機野菜や有機調味料、乳製品等の自然食品を豊富に揃える「おかげさま市場」のOPEN、さらに、辻信一さんのゆっくりノートブックシリーズの新刊『しんしんと、ディープエコロジー』の発売日でした。トークゲストは(株)ウインドファーム、スロービジネススクールの中村隆市さん、ノンフィクション作家の島村菜津さん、ナマケモノ倶楽部世話人の辻信一さん。イベントは13時に始まり、70人以上の人が集まりました。みんなでおいしい料理を味わいながらゲストの話に耳を傾けました。
■第1部 水俣病から有機農業そしてフェアトレードへ
第1部は、中村隆市さんによる有機農業やフェアトレードについてのお話でした。福岡出身の中村さんは、若い頃ドキュメンタリー映画に興味を持ち、公害問題を手掛ける映画監督との出会いや、中村さんのお母さんが水俣出身のため、中村さん自身が水俣病だったとしてもおかしくないという気づきをきっかけに、公害問題、環境問題に関心を持つようになったそうです。そして23歳の時に、有機農業を始め、後に、ブラジルで数少ないオーガニックコーヒーを生産するジャカランダ農園のカルロスさんと出会い、フェアトレードを始めました。そのお二人の出会い―中村さんが5本のインタグ(ブラジルの木の種類)の苗をカルロスさんの農園に植え、ビジネスパートナーとして末永いおつきあいを約束した―がとっても素敵でした。競争のビジネスではなく、豊かな人間関係や自然との関係が生むこころのあるビジネスなんですね。
■試食コーナー、おかげさま市場、ライブ
休憩時間での試食コーナーには、玄界イサキや長崎のカワハギ、サバじんだ煮(ちりめんをぬか炊きしたもの)、祝島のゆでダコ、もずくや、おからドーナッツなど各地からのスローな食材が並び、みなさん満足の様子でした。おかげさま市場の店内では、牛のペースで育てる「想いやり牛乳」、水だしオーガニックコーヒーの試飲がありました。おかげさま市場の食品は、すべて無農薬、無添加、遺伝子組み換えでないものを扱っています。ほとんどが国産のもので、野菜だけでも日本の様々な地域から集まっていました。
続いてシンガーソングライターの松谷冬太さんのライブ。最初の「イマジン」から、松谷さんのエネルギーがわっと飛び出してきてこころが震えました。カフェスローの広い窓から見える緑の林をバックに、松谷さんが歌う「森のうた」もとっても素敵でした。
■第2部 原発と生物多様性の話
日本の食文化のスペシャリストである島村菜津さんがスライド写真を交えて、現在原発が建てられようとしている山口県祝島の漁師さんの話や青森県下北半島の菜の花プロジェクトの話、おかげさま市場に並ぶ調味料等の紹介をしてくれました。最後には「これ...普段は800円だけど、今日は600円!!」とそれぞれの地域の食品を紹介しながら営業されていた姿に笑ってしまいました(笑)
後半は島村さん、中村さん、辻さんの3人で生物多様性 について。原発では、冷却水として一度に70トンもの海水が取り込まれ、熱水として海に戻されるそうです。そのとき海水の温度が7度も上がるというので驚きました。「私たちは3千万種の生きもののつながりの網の目の中に生きていて、この生物多様性がなければ私たちは生きていけない」と語る辻さん。ナマケモノ倶楽部の世話人の一人である、エクアドルからアンニャ・ライトさんからビデオメッセージもありました。最後にカフェスロー代表の吉岡淳さんから一言と、おかげさま市場のスッタフの紹介でイベントは終わりました。終わってからも店内のフェアトレード商品を見たり、外でおしゃべりをしたりとみなさん愉しんでいられました。
■さいごに フェアトレードの矛盾の話から
個人的にこころに残ったのは、スローなコーヒーを売っている中村さんがなぜインスタントコーヒーなの?というお話でした。確かに矛盾しているのかもしれません。
ジャカランダ農園のように自分も有機コーヒーを作りたい!といって有機農法を始める生産者の方たちが、売れなくて失敗してしまったり、農薬を使う以前のやり方に戻ってしまったりすることがあるそうです。そういう人たちがインスタントコーヒーから有機農業を広げていけたらいいというカルロスさんの想いを中村さんは形にしたのだそうです。
わたしは最近まで1年間メキシコで暮らしていたのですが、メキシコ人もインスタントコーヒーをたくさん消費するので、レストランでコーヒーを頼むと、お湯とインスタントコーヒーの瓶が出てくるなんていうこともあります。メキシコではオーガニックコーヒーや有機野菜を作る人がいても、現地にはそのための市場(シジョウ)がないといいます。わたしが住んでいた街の市場に有機野菜を他の野菜と同じ値段で売っている女性がいたのを覚えています。口コミで知った人は彼女の野菜を求めて買いにくるのですが、ほとんどの買い物客は有機かどうかを気にしません。
前日のカフェデラテラでも中村さんのフェアトレードのイベントがありました。そこでの「結局大量の石油を使って輸出するわけだけど、それってフェアなのかな?」という辻さんの一言。これもまたひとつの矛盾ですよね。確かにフェアトレードが100%フェアだということは言えない、でもあの時わたしがカルロスさんのジャカランダ農園からコーヒーを買っていなかったら、当時の開発事業によって森がなくなっていたかもしれない、という中村さんの答えでした。
おもしろいなぁと思ったのは、矛盾って普通は否定的なものですが、こういったフェアトレードの矛盾が、フェアトレードを広げる、とか森を守る、というポジティブなちからになっているんですね。そういう可能性がフェアトレードをもっともっと広げていくと思います。最後に、カフェスロー9周年おめでとうございます。これからも一人のなまけものとして応援しています。
なまけものレポーターきくでした。
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【祝・国際生物多様性デー】
生きものの声を聴く 〜森林農法とフェアトレード
ナマケレポーター@菊地原 歩
NHKエコチャンネル
のエコチャンブログ“なのはな”さんからもレポートが届いています。
詳細は
こちらから
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