ナマケモノ倶楽部とは
ナマケモノ倶楽部とは
これまでの支援先
会員になるには?
ナマケモノは怠け者?
   
さまざまな動き
イベント情報 NEW!
ROR-JAPAN
地域通貨「ナマケ」
スローカフェ宣言
zoony(ズーニー)運動
ジャパン・アズ・ナンバー9
100万人のキャンドルナイト
 
これまでの活動実績
過去のイベント一覧
 
2004年のイベント

ナマケモノが見たピースボート経由世界社会フォーラム
第2回 ワークショップ報告(1月8日に書いたもの)

 ナマクラの皆さん、こんにちは。 あきらごとうon the ピースボートです。明日シンガポールに入港します。

 1月7日には第二回目の企画を打ちました。簡単に報告します。タイトルは「エコとピースで食っていく!〜環境・平和・経済をつなげるスロービジネス〜」でした。

 ナマクラ@ピースボートチームで話し合いながら、企画をどう作っていくかを決めました。90分という短い時間を有効に活かすために、当初考えていた「ヴァーチャル・スロービジネス・コンペ」は止めにして、「話」を中心にしました。

 ピースボート上では毎日毎日さまざまな企画の中で社会問題が指摘されたり、エコや平和の重要性が語られます。(もちろん、硬いものばかりではなくて「ハイテンション選手権」や「社交ダンスしたい人集まれ!」「囲碁将棋」なんて企画もあります。)

 いくつかの企画に出れば、エコや平和の重要性がしみじみと分かってきます。が、「そんなこと言ったって現実は厳しいんだよ食ってくためには仕方ないでしょ」とか「理想ばかり言って好い気になっているだけじゃないか?」といった反応も出てくるでしょう。

 そういった反応もあるだろうと考え、「エコとピースで食っていく」という企画を打つ事にしました。

 話はWSFチームで同じ釜の飯を食べている<ひまわり農場の中川みどりさん>、<Mフェアトレード・カンパニーの胤森なおこさん>とコラボレーとしてプレゼンをしてもらいました。さらに、未来バンクなどの活動をされている田中優さんにコメンテーターを務めてもらいました。

会場にはたくさんのお客さんが 会場の中にはナマクラバナーを設置

 導入として、「スロービジネスって何で大事?」という題で僕(後藤)が簡単にプレゼンテーションをしました。

 内容はROR資料集のスロービジネスの章に書いてある事を中心にしました。環境問題からくる限界と拡大を目指す経済の仕組みからくる限界がある。自然環境も社会もほころびが目立ち始めている。そんな時こそ、「いのちを大切にする仕事」であり、「環境持続性・社会的公正さ・分かち合い」といった価値観を創り出すスロービジネスが必要なのです。

 「で、そんな仕事本当にあるの?」というわけで、実際に僕らがスロービジネスと勝手に名づけているようなことを仕事にしているゲストに話をしてもらいました。

 中川さんの話は彼女の人柄が出ていてすごく良かったです。残飯リサイクル養鶏で環境や平和にアプローチしているということが伝わったと思います。ズバリ「ひまわり農場の目標は『世界平和』です!」とのこと。ひまわり農場では福祉施設や近所から出た残飯生ゴミを回収し、それを養鶏のための飼料として使っているとのことです。通常の養鶏には輸入穀物を使った配合飼料が使われます。が、穀物を栽培する地では大量の農薬や化学肥料を用いられており、土地や人間にダメージを与えているようです。残飯は、ひまわり農場が引き取らなければ焼却炉でオイルを掛けて燃やされます。それは、ダイオキシンの発生や燃料の消費といったことにもつながります。1年間で約26トンの残飯を引き取り、2トンの卵を生産しているとのこと。1パック10個入りの卵を買う事で消費者は8.5キロの残飯を有効利用することになるとのことでした。中川さんは「食料が自給できればケンカや戦争はなくなる」といった想いも持って循環型農業をしているとのことです。将来的には天草にエコビレッジを作りたいとのことでした。

 胤森さんはフェアトレードカンパニーが株式会社であることの意味などを説明してくれました。社長夫妻が実質的な株主なので、利益は出資者にそのまま還元されるという形態だとのこと。会社設立当時はNPO法人というもの自体がなかったから株式会社という形態を取っているということです。社長以下35名がフェアトレードで食っているとのことです。

 胤森さん自身は、大手企業のOLをやっていたけれども、途上国の支援などに興味がありフェアトレードに関わるようになっていった。OL時代の仕事には「意味」を見つけることが難しかったそうです。転職後、収入は半減、仕事と忙しさは倍増。スロービジネスは理念としては素晴らしいが、現実としては「あまりスローではない」ともおっしゃっていました。だけれども、「楽しさは10倍ぐらいになっています」とも素敵な笑顔でおっしゃっていました。

 田中優さんは「生きがい」や「充実感」を求める生き方や働き方が注目されているし、展開もされ始めているとおっしゃっていました。さらに、「自分が大切にしたいことを通して、どんどん自分たちで社会を創り上げていくということがこれからどんどんなされていくだろう。」「『お金のために生きる』といったことは本末転倒なんです、『生きる』ということのほうがはるかに大事です。」といったこともおっしゃっていました。また、スロービジネス的な領域に皆が10%自分のお金を投資すれば(フェアトレードで買い物したり、循環型農業で作られた農産物を買ったりなどなど)、10%の人間がスロービジネスで食っていくことができるようになるといった指摘もしてくれました。

 質疑も活発になされました。

 「年収が低くて、子どもを大学にいかせられないような状況になったらどうするのか?ある種の親のエゴで子どもを犠牲にするのはどうかと思う」といった厳しいコメントが中川さんに寄せられました。

 中川さんは、収入は工夫してちょっとづつ増やしていこうと思っているとのことです。「子どもを犠牲にしているつもりもない」とも言っていました。

 「社会のいろいろな領域で必要とされる仕事を皆さんの想像力や発想力をとことん使って創り出していって下さい」というコメントも田中優さんからもらいました。
講義と話が中心のイベントでしたが、全体的に反応は良かったと思います。WSFチームのメンバーからは「すごく良かった」という反応を多数もらいました。参加者からの感想も一部おすそ分けしましょう。

 「エコも、ピースも、一般的にビジネスとしては成り立たないと思われがちであるが、そうではなかった。将来、のことではなく、今、何ができるか、ということに関して指針を与えてもらった気がする。」

 「私は大企業を辞めてこのピースボートに乗りました。職場の中で「生きがい」を失い、自分が本当は何がやりたかったのか、夢をもてなくなっていました。企業という中にいると、自分の意見が個人的なもので悪いものとなっていました。スロービジネス、自分のペースで生きていくことをもとめることをこれからしていきたいと深く思いました。とても貴重なご意見、講演、ありがとうございました。」

 「私は21歳のフリーターなんですが、1年間アルバイトを色々してみてお金はもらえるが、やりがいは感じられず。しかも、今、自分がやっていることが何かのためになっているのだろうか?と想い、ピースボートで、この先やっていくことを見つけられればなぁと思っています。今回この企画に出てみて少しやってみたいことが見つけられたので、すごくよかったです。ありがとうございました。」

 「仕組みに乗っかって生きるのではなく、仕組み自体を考え、批判し、作り出していくような生き方をしたいと思いました。」

ほんの一部ですが、反応良いですね。
以上、第二回目のワークショップの報告でした。


イントロダクション | 1回目報告 | 2回目報告 | 3回目報告 | WSF報告 | 帰国報告会のお知らせ

上にもどる
過去のイベント一覧にもどる