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函館(2003/10/19)報告 |
函館は木々の葉が色づきはじめ、秋の紅葉が始まっていました。 初めて訪れた函館は、海風の吹く「風のまち」でした。
そして、昔ながらのレンガ造りの建物が残り、市場では新鮮な魚貝類と威勢のいい声が飛び交います。その函館に、一日だけ小さなスローなカフェができました。場所は函館市写真図書館1階。50人くらいが入る小さなスペースです。
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タケダストアー2Fにそびえる風車 |
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ナマケモノブースの様子 |
函館のスタッフの「ゆったりとした空間でシンポジウムをひらきたい」という意向の
もと、当日は“10・19 Slow Cafe in Hakodate 実行委員会”によるコーヒーとランチのカフェが開かれました。小さな(有料人員27名、スタッフ・ゲスト入れて50名)イベントでしたが、だからこそ、ゲストと参加者の距離感が短く、藤岡亜美さんが焙煎したコーヒーと有機野菜のランチを食べ、あたたかい雰囲気の会場となりました。
今回のゲストは、青山裕史さん(油藤商事(株)専務取締役)、 藤岡亜美さん(スローウォーターカフェ(有))、
石塚大さん(はこだて菜の花プロジェクト実行委員長)でした。20分間のパワーポイントを使ったトークをしていただきました。
最初、参加者の方々は「スロービジネスとは何か?」がよくわからなかったようですが、 具体的なお話を聞く内に、きく姿勢に真剣さが出てくる様子がわかりました。そして、3人のゲストによるパネルディスカッションと会場とのQ&A。
『スロービジネスは仕事と生きがいが合わさったビジネスであり、会場に来ている参加者ひとりひとりがはじめる可能性を秘めている。ナマケモノ倶楽部としては、実践している方をご紹介することから経済の中でまだまだ小さなスロービジネスの存在を知っていただき、あなたの中にあるスロービジネスの種に気づいてもらいたい。』
そんなメッセージを伝えることができました。
その後、藤岡亜美さんの手煎り焙煎器によるワークショップ。エクアドルのコーヒー生産者の写真をプロジェクターで見て、コーヒーにまつわる物語を共有したあと、実際に豆を煎ってみます。初めての焙煎をみなさん楽しみました。
最後に青山裕史さんのワークショップ「もし家庭ゴミ回収が完全民営化になればいったいどのようなことが起こるのか」−循環型社会とビジネスモデル−というテーマの下、税金として国に依存している処理費用を民営化することにより自分達の手に取り戻し、
もっと有効に費用をマネージメントできるのではないか。ゴミをビジネスとしてもっと有効に管理することができるのではないか。そこから現在当たり前と思っているゴミ処理の仕組みを、外から客観的にみることができ、ごみ問題そのものの解決策を生み出せるのではないか、というワークショップでした。
グループごとに分かれ、話し合いをしました。参加者ひとりひとりが考える場となりました。小さな規模だからこそ、ひとりひとりが参加できるイベントになったと思います。
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模造紙にみなの意見を貼っていく |
その後、地元の講師の方の縁でラジオ局FMいるかの「元町倶楽部のじろじろ大学」に1時間弱生出演しました。事務局長の馬場さん、ゲストの3人がスロービジネスについてコメントしました。また、イベント記事が10/20の函館新聞、毎日新聞道南に掲載されました。
ナマケモノ倶楽部としては、函館の熱い意志を持った方々にお会いする事ができました。
菜の花プロジェクトの石塚大(まさる)さん。お勤め先がガソリンスタンド、菜の花の活用という点でゲストの青山さんと共通しており、函館と青山さんの滋賀とのつながりができました。
山猫工房 代表とりしまり役 佐藤国男さん。賢治の物語をもとにした版画は深みがあります。
東京、カフェスローでも展示会がありました。
こなひき小屋のパン職人親方 木村幹雄さん。ナマクラのコーヒーも置いてあります。ハンディキャップを持った方の職場としてパン屋さんを経営されています。しかしながら、区別なく絶対評価で雇っています。つまり、障害の有無に関係なく、仕事仲間として働いています。彼らにとってやりやすい仕事、労働時間が短いこと以外はまったく同じ条件です。地元でも有名なおいしいパン屋さんです。
ラジオ局FMいるかの「元町倶楽部のじろじろ大学」のナビゲーター村岡武司さん、太田誠一さん。
突然の出演にもかかわらず、スロービジネスをわかりやすくご紹介してくださりました。
太田さんのカフェで続きをお話しました。
はこだてスローマップの渡辺保史さん。函館という町を見つめ直すきっかけとして、地図に景観のいい場所、歴史ある建造物、歩きやすい道、有機野菜のお店などを地元の人たちのワークショップ、調査をもとに作り上げています。「あるもの探し」をしておられました。
南北海道自然エネルギープロジェクト ピーター・ハウレットさん。
高橋さんには、函館の熱いスローな想いをもった方々をご紹介してくださり、現地の移動など大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
函館の風の利用にご尽力されており、とても楽しそうにこれからの予定をお話されておりました。
高速道路で切り倒されそうになった「とちの木」に会いに行きました。その大きさ、存在に圧倒されました。
最後に10・19 Slow Cafe in Hakodate 実行委員会の公立はこだて未来大学の竹山侑希くんと
北海道大学大学院の染木加奈子さん、そして、当日、イベントを支えてくださったたくさんの方々に御礼申し上げます。どうもありがとうございました。それでは、ご報告をおわります。(中村恭子) |