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エコシティーバイーア、視察レポート2006

こんにちは。エクアドル派遣員のワダアヤです。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
私は、少しラ・シエラ(山岳地方)を脱出して、ラ・コスタ(海岸地方)に行ってきました。ナマケモノ倶楽部がかかわっているコスタはバイーア・デ・カラケスという、エコシティー宣言をした市です。詳しくは、http://www.sloth.gr.jp/ecua/bahia_basic.htm

まだ雨季は始まっていなかった、バイーア。バイーアの人々も、一見禿山に見える山々も、雨季を今か今かと待っています。でも禿山に見えつつも、よく見ると、オレンジや黄色といった原色の花や葉っぱががくさん生えていました。でも雨季の強烈な緑が待ち遠しいです。

さて、今回は、ここで活躍なさっているニコラ・ミアーズさんにおつき合いいただいて、短い時間の中で、ぐるっとまわってきました!何回か行ったことのある場所もありますが、はじめての場所にも行きました。知っていたところも、また新鮮な驚きがあって、想像以上に楽しんでしまいました。そのご報告です。

* KM8コンポスト工場

KM8というのは、バイーア・デ・カラケスから8kmほど離れたコミュニティーの名前。そこに設置された、生ごみの処理工場の名前が、KM8コンポスト工場。実際は前からあったそうですが、実際に動き始めたのは最近のこと。

今は、生ごみを3つのセクター(市場とファンカとベジャ・ビスタというコミュニティー)からのみ集めており、収集日は月・水・金・日だそう。(ちなみに火・木・土は燃えないごみの日)だいたい毎回2トンほどの生ごみが、この処理場に集められます。最初に生ごみに混じった燃えないごみを取り除き、細かく砕きます。これに3トンほどの牛糞と米と糖蜜から精製したバクテリアを合わせ、常時水をかけ、水分を保ち、3ヶ月ほどで400ポンドの肥料ができるそうです。まだはじめたばかりなので、この肥料はまだ売りに出しているわけではないそうですが、もっと多くのセクターから生ごみを回収し、多くの肥料が算出できるようになったら、商業化したいそうです。

この工場は、工場といっても、ものすごーくシンプルなもの。真っ平らな土地に、テントが張ってあって、その下で生ごみをより分け、砕き、牛糞やバクテリアと混ぜ、水をやる。これを4人のスタッフが行っています。自治体では、その他、リサイクルプログラムにも着手する予定。

* 有機えび池

少しずつ有機えびに取り組む人が増えてきた。最初は、なかなか周囲の理解もなく、需要もなかったけれど、今では需要が増え、有機えびが引っ張りだこ!バイーアのニコラ・ミアーズさんは、有機えび養殖の有機認証の資格をもつ、有機えびの第一人者。彼女はアドバイザー的な役割をしているそうです。

* リオ・ムチャーチョ環境学校

学校教育に、環境教育を取り入れたリオ・ムチャーチョ環境学校。そこに新しく図書館ができました!本は、少しずつボランティアが持ってきてくれたり、寄付で買い集めたりしているそうです。

ただ、エクアドルの農村部には、「本を読む」、また、「図書館を利用する」という習慣があまりありません。学校の先生たちでさえ、「図書館」というものが何を意味するのか把握しておらず、説明しても、「こどもたちが本を読むわけがない」「貸し出したら、そのまま返さないに決まっている」と異口同音に言うと言うのです。これはかなり由々しき問題だと思うのですが、ニコラは、辛抱強
く、本を読むことを宿題にしたりして、本を読む練習をしていくしかないと言っていました。

本だけが世界のすべてではないし、実体験もとても大事だけれど、やっぱり本を読むことで広がる世界も体験してほしいなと思いました。インタグの図書館もそうですが、地域住民にとって、なじみがない図書館。インタグの図書館で実施しているような、ワークショップをやることで図書館に足を運んでもらうなどの努力が必要そうです。

* ムユーヨ

ムユーヨという白い実をつける樹木は、熱帯乾燥林のいたるところに生えています。この実を使ったスタイリング剤を、今、ニコラさんは開発中なのです。この白い実はつぶすとねちゃっとした液が出ます。これは、そのままのりにも使えるけれど、髪の毛にもいい。アメリカの学生さんと、実験を繰り返し、パーマをかけた髪に、くしゅっという感じを持たせつつ、しっとり感もあるという、かなりいいものができたそうです。植物性だから、ということがなくても、通常のスタイリング剤よりもずっと使用感がいいそうです。まだ実験段階だそうですが、エコでありながら、おしゃれをしたいという人にはいいかも!
森を守りながら、森の資源を有効活用するバイオ・コマースにもますます興味が出てきました。

* リオ・ムチャーチョ有機農園

エクアドルで最初に認められた有機農場のこと。ここでは有機&パーマカルチャー農法、コンポスト・トイレ、バイオガス、雑廃水の浄化システムを取り入れるなど、自給自足で循環型の生活している。育てている植物も様々で、ミント、しょうがやターメリックなど、ハーブや香辛料も豊富(ここでの料理にたくさん使われていて、どれも食べたことがないようなオリジナル料理でおいしい)。使われている食器やかまどは、昔からこの地方で使われていたもので、地元の伝統文化も大切にしている。

ワカマヨ・ツアーズがコーディネイトを行い、このリオ・ムチャ―チョ農園にエコツーリズムリストやボランティアが世界各国から訪れている。ツアー客には、泥パック&マッサージ、有機カカオと有機砂糖で作るチョコレート、タグア(アメリカ象牙椰子)の指輪やキーホルダー、ひょうたんの食器などを作るワークショップにも参加できます。

ちょうど有機農業&パーマカルチャー・コース実施中(英語)のところにお邪魔してきました。エクアドルにいるくせに、普段あまり土に触ることのない私は大いに楽しんできました。私たちがリオ・ムチャーチョにいるとき、ちょうどやっていたのは、ミミズ・コンポスト、それから月の満ち欠けによる影響のお話。ミミズがいかに効率よく、栄養度の高い腐葉土を提供してくれるか、ミミズの種類・習性、ミミズの育て方、ミミズ床の作り方などを、実際に土に触りながら教わりました。ニコラさんのパートナーのダリオさんは、自他共に認める月フリーク。農業をやる上では絶対に、月の満ち欠けに従うそうです。月の満ち欠けによって、樹木の水分量が違う。だから木を切ったり、収穫したり、種まきしたりするタイミングを計る。それによって、大きな差が出るそうです。ちょっとか
じっただけだけれど、有機農業に触れると、地球とか、自然の大いなる力を感じます。でもそれだけじゃなくて、それを破壊しないように、また最大限に利用している有機農業という知恵、そしてそれを生み出した人間、実践している人間もすげーやって思います。本気でこのコース参加したいです。(参加したい方、お問い合わせください。)

ここに滞在していたドイツ人の女の子と一緒にザリガニを大きくした感じの川えび釣りを初めてしました。そして、釣れた川えびのガーリックソテーを一緒にいただきました。川えびってちょっと泥くさいのかな…と思っていたのですが、いやいやそんなことはない。ものすごくフレッシュで甘くておいしかったです。
これだけでもリオ・ムチャーチョに行く価値があるかも…。

以上、駆け足でしたが、コスタ報告でした!

娘のムユも、はじめての標高0m、はじめての海、はじめての川に熱狂していました。(あせもがすごかったけれど…。)

みなさんと一緒にまたコスタに行きたいです。ナマケモノ倶楽部のスローツアーでも、全部回ります。(もちろん、これだけじゃないですヨ!)、みなさん、エクアドルに来ませんか?

ワダアヤ

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