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エクアドル・基本情報

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歴史
首都キト(海抜2,850m)付近の中央の高地に赤道が通っており、スペイン語で赤道を意味する「el ecuador」が国名の由来となっています。

エクアドルの歴史を遡ると、一般的には、紀元前12,000年頃までにアジアから渡ってきた人々に、ポリネシアから海を越えてやってきた人々が加わり、この地に定着したと考えられています。

首都キト(Quito)では紀元前9,000年頃の石器が、サンタ・エレナ(SantaElena)では紀元前6,000年頃の墓地が見つかっており、また海岸地方では縄文土器に似た南米最古の土器が発見され、紀元前3,000年頃にこの地にヴァルディヴィア(Valdivia)文明が発展していたことを示しています。

11世紀に入ると、海岸地方でカラス(Caras)族、山岳地方でキトゥス(Quitus)族が台頭し、その後キトゥスがカラスに吸収され1,300年頃までシリ(Shyri、カラスの族長の名)国がこの地を治めます。その後、南部山岳地方で勢力を伸ばしてきたドゥチセラ(Duchicela)国がシリ国を併合して150年の間平和な時代が続きました。

14世紀に、ペルーからインカ(Inca)帝国が急速に拡大すると、エクアドルもやがてその支配下に入ります。しかし、1526年、インカ(Inca)王ワイナ・カパック(Hyayna Capac)の死とともに帝国は分裂し、その頃この地にやってきたスペイン軍に1532年ワイナ・カパックの息子、アタワルパ(Atahualpa)が処刑され、スペインの植民地となりました。

植民地時代には牛やバナナをはじめ様々なものがヨーロッパから持ち込まれ、またコロニアル建造物などが建てられました。しかし、スペインの支配はインディオたちにとっては過酷なもので、徐々に独立の気運は高まっていきました。

19世紀になって、これらスペイン植民地はベネズエラから現れたシモン・ボリーバル(Simon Bolivar)によって次々と解放されていきます。ボリーバルはベネズエラ、コロンビア、エクアドルを統合したグラン・コロンビア(Gran Colombia)の設立を目指していましたが、その構想はわずか8年で終わりを告げます。

エクアドルが完全な独立を勝ち取ったのは1830年のことです。同じ年、ペルーとの間で条約が締結され国境が定められましたが、その後も国境紛争は続き、1998年ようやく平和条約が結ばれ紛争は解決しました。
政治

政治的には、独立後のキトを中心に教会を後ろ盾とした保守派と、グアヤキル(Guayaquil)を中心にリベラル社会主義派が形成され、勢力争いを繰り広げます。この過激とも言える争いの中で、過去何名かの大統領が暗殺され、政治腐敗と不安定な政情の下、貨幣は下落し人々の生活を苦しめました。

1999年、エクアドルの貨幣単位であるスークレ(sucre)は前代未聞の下落を遂げ、時の大統領ヤミル・マワード(Jamil Mahuad)はこの下落を阻止するため、通貨のドル化を敢行します。しかし、このドル化は全国的なデモやストライキを巻き起こし、マワード大統領はその座を追われることになりました。

その後、軍の支持を得た副大統領グスターボ・ノボア(Gustavo Noboa)が政権を握りました。経済を立て直すためIMFなどからの借款を取り付けますが、インフレの波はとどまることなく、2001年に入ると大規模なストライキやデモが各地で起こりました。翌年の選挙では、アマゾン地方出身の軍の将校でマワード大統領追放に加わったルシオ・グティエレス(LucioGutierrez)が大統領に選ばれ、今日に至っています。

現在の政治体系としては、民主制をとっており、18歳以上(ただし識字可能な)の市民に投票権が与えられます。投票の過半数で大統領が選ばれ、4年の任期で再選はありません。議会は1院制で、79の全国区と44の地方区選出の議員からなります。

エクアドル国内には22の県があり、さらに州に分けられそれぞれが民主的な地方自治を行っています。

●エクアドル一般情報

公用語:スペイン語
通貨:米ドル
時差:-14時間(日本から14時間の遅れ)
首都: キト
在日エクアドル大使館

経済

エクアドルの今日の主要輸出品目は、石油製品、バナナ、えび、コーヒー、ココアなどです。 1970年初頭まではバナナが主要な輸出品でしたが、石油が産出されるようになってからは、輸出の大半を石油製品が占めるようになりました。1980年に入ると、エルニーニョ、石油価格の下落や大規模な地震などによってエクアドル経済は急速に下降し、対外債務が膨らんでいきました。

基軸通貨のドル化によってインフレは多少抑えられましたが、貧富の格差は広がる一方です。特に地方部の暮らしは70年代から基本的なインフラ(電気・ガス・水道)が進展しておらず、ドル化により自給自足の生活が崩壊する危機にさえ直面しています。

エクアドル政府は、年々かさむ対外債務の利子(原資ではなく)を返還するために、膨大な国家予算を費やしています。そのため、国の資源である鉱物を海外企業に投資してもらおうと、鉱山開をすすめやすい法律を制定しています。


★日本との輸出入に関する詳細は・・・外務省ホームページ:エクアドル
★対外債務に関する詳細は・・・ジュビリー九州(NGO)

気候と地理
面積は日本の約3分の2(6,549平方キロメートル)、人口は約10分の1(1,200万人)です。北はコロンビア、南東はペルーと国境を接し、西は太平洋に面しています。国土の中央部を南北にアンデス山脈が連なり、海岸地方から急峻なアンデス山脈、原生林のアマゾンへと続く地形のため、バラエティーに富んだ地形を生み出しています。また、太平洋沖1,000kmにはガラパゴス諸島があり、固有種の宝庫、世界遺産として有名です。

エクアドルには3万5千種にも及ぶ植物種が存在し、絶滅危惧種の動物も多く生息し、さらにメスティソ、先住民族、黒人などのさまざまな民族(13の言語が話されているという)によって形成されています。4つの気候区分、アンデス山脈の高地「ラ・シエラ(山岳地方)」、海岸地方の平地「ラ・コスタ(海岸地方)」、アマゾンの熱帯雨林「エル・オリエンテ(アマゾン地方)」、ガラパゴス諸島に分けて、その特徴をみていきましょう。

●山岳地方 (La Sierra)

首都キトに代表されるシエラは、標高もさまざまで、アンデス気候と亜熱帯気候を併せ持ちます。エクアドル最高峰のチンボラッソ(Chimborazo)山(6,310m)をはじめ4,000m〜6,000m級の22の山々を有しています。この一帯は活火山も多く「火山通り」とも呼ばれています。またパラモと呼ばれる乾燥した草地が点在します。

低地は、熱帯雲霧林をたたえる山がひろがります。かつては「アンデスのフィレンツェ」とも呼ばれていました。6、7、8月の3ヶ月は晴天が続き、空気も乾燥している乾季にあたります。その他のじきには、1日に1回雨が降るという、雨季にあたります。

1日のうちに四季が訪れると言われるほど朝晩は肌寒く、日中は22度前後まで上がり、年間を通して春のような気候です。この地方は、雨季は10〜5月、6〜9月が乾季にあたります。


熱帯雲霧林

●海岸地方 (La Costa)

グアヤキルを中心とするコスタは、エクアドル国土の約4分の1にあたります。気温は年間を通して高く、平均温度25度、時には40度近くまで上がります。

1月から3月の雨季には、雨が長時間降り続きます。5〜12月が乾季になります。ガラパゴス諸島の気候もこれに準じますが、雨季の雨量は海岸地方ほど多くはありません。

緯度がほとんどゼロなのにもかかわらず比較的しのぎやすいのは、南極の方から流れてくるフンボルト海流という寒流の影響です。

この地方は、かつてはマングローブや森林に覆われていましたが、現在そのほとんどがえび養殖やプランテーションに姿を変えています。わずかに残る森林地帯は生物多様性にとって貴重な環境として生態系のホットスポットに挙げられています。

熱帯乾燥林
マングローブ林

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●アマゾン地方 (El Oriente)

東を意味するオリエンテ、アマゾン地方は、エクアドルの東部を占めます。またここはアマゾン川の源でもあります。

年間を通して気温が17〜25℃位で、雨量が多く湿度も高くなります。1年中雨が多く暑い地方で、多様な生物の宝庫です。

雨が降るのは午後から夕方にかけて。ジャングルに覆われたこの地方は、鳥、動物、(特にミツユビナマケモノ!)が頻繁に見られる場所でもあります。しかしながらその貴重な自然は石油開発や開拓などの脅威に常にさらされています。

熱帯雨林


●ガラパゴス諸島 (Las Islas de Galapagos)

スペイン語のカメに由来するガラパゴスは、エクアドルの海岸からは約1,000km離れています。フンボルト海流の冷たい水のおかげで、赤道の直下に位置しているにも関わらず、海流の関係で気温はさほど高くなく、ペンギンも生息している特異な場所です。

ガラパゴス諸島には、世界中でここでしか見ることができない固有種が数多く生息しています。何らかの方法で大陸から移住したそれぞれの生物の祖先が、隔離された島々で独自に進化していったことを示しています。

現在では人間が持ち込んだヤギやイヌなどの陸生の哺乳類が増加して、イグアナやゾウガメなどのは虫類ばかりでなく、植物生態系にも破壊的な影響を与えています。 また近年のロブスター、なまこ、かになどの乱獲が生態系に大きな影響を与えています。

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