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ナマケモノのフェアトレード
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雲霧林

 エクアドル、コタカチ郡、インタグ地方の山々。緑に覆われた険しい丘陵と太平洋に流れ込む無数の急流によってえぐられた峡谷。太平洋からは、毎日内陸に向かって重く湿った雲が上っていきます。白く光る無数の急流はその雲がもたらす水を再び海に返すのです。雲霧林はアンデス山脈西麓に広がる、世界でも珍しい生態系、最も生物多様性豊かな森です。

 「環境自治体」を宣言しているコタカチ郡は、アウキ・ティトゥアニャ知事を先頭に環境に配慮した地域づくりをすすめています。インタグ川の流域では今世紀になってから大規模な植民が行われ、農業の拡大のために元の亜熱帯林の90%がなぎ倒されてしまいました。わずかに残された森林は、地域固有の種や絶滅の危機に瀕する種を数多く擁することで知られています。

 インタグでは、この森での大規模な銅山開発計画に反対し続けています。その代わりに持続可能な地域づくりで自然環境を守りながら貧困から抜け出す道を選んだのですその方策のひとつが、地域の伝統的な多品目栽培を生かした「有機無農薬コーヒーの生産」と「カブヤ編み」、それを適正な価格で販売する「フェアトレード」でした。

 

ナマケモノ・コーヒー

 農薬の使用や焼き畑をせず、コーヒー樹をバナナなどの日陰樹と一緒に栽培しています。開墾した畑より自然の状態に近いため手間がかかりますが、自給自足的に野菜や果物を収穫でき、比較的安定した経営を続けることが可能です。土の中にはミミズやバクテリア、地上にはクモなどの益虫が増え、森はもとの豊かさをとりもどしていきます。

 ナマケモノ倶楽部ではインタグのコーヒー生産者協会AACRIとフェアトレードを行ってきましたが2000年7月には千葉県松戸市に、20代のナマケモノ会員が中心となって、有機コーヒーの自家焙煎会社(有)スローが設立されました。毎日インタグの人々の思いをつなぐナマケモノコーヒーの豆を煎っています。

 小学校教員でインタグのリーダーでもあるセシリアさんがメッセージを寄せてくれました。

「私たち女性と母親、そしてインタグの皆の感動を伝えたい。初めてインタグで収穫したコーヒーが日本まで届くことを知った感動です。私たちへの支援に対して感謝します。神様が見守ってくれるでしょう」

 豊かな森の育んだ美味しいコーヒーが森やそこに住む人々の新しい生き方を支えています。

 

カブヤ編み

 ナマケモノ倶楽部で扱うカブヤ製品は、インタグの女性団体「グルーポ・ムヘル・イ・メディオアンビエンテ」の手作りによるものです。カブヤは別名サイザル麻。生命力の強い植物で貧困な土壌でも育ち、土や川を汚染する化学肥料や農薬は一切必要としない為、環境に負荷をあたえることはありません。

 葉から繊維を取り出し、なめして乾かした後にくるみ、木の葉、レーズンなどで色染めし、バッグやマットをていねいに編んでいきます。栽培から染色にいたるまで、一切の化学物質を使用していません。カブヤ製品は女性たちに現金収入につながる雇用をもたらし、寺子屋形式で行われている子供の教育の他、森の再生などの様々なコミュニティープロジェクトの支援につながります。

 

雲霧林の写真家マレー・クーパー

 マレー・クーパーは南アフリカで生まれ育ち、米国をへてエクアドルに移り住みました。環境運動に身を投じるなかで、特に雲霧林に魅せられ、RIC(熱帯雨林情報センター)のメンバーとしてロス・セドロス生態保護区に定住しています。独学で学んだ写真技術で原生林の生命の美と神秘を撮り続けるかたわら、原生林保護と共に持続可能な地域づくりの手段として科学リサーチセンター、エコツーリズム、パーマカルチャー農業(自然サイクルを利用し、環境と調和した農業)をも手掛けています。鮮やかで美しい彼の写真は、最も雄弁な政治的メッセージでもあります。

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