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コタカチ郡&コタカチ郡アンデス地方

環境保全郡として、多民族・多文化共生をめざす

エクアドルの北部、そしてアンデス山脈の西側に位置するコタカチ郡は、文化的にも生態学的にも、非常に多様で豊かな地域です。多様性と固有性において非常に重要であるエコシステムを持ち、同時に世界の自然保護的視点からも重要であるチョコ・マナビ生命地域(コロンビアからエクアドルにかけての保全地域、『緑の回廊』とも呼ばれている)とコタカチ−カヤパス生態系保存地域に接ししているエクアドルの北のアンデス山脈は、民主主義的参加と自然資源保護を基盤とする持続可能な発展の活動の当事者である先住民、メスティソ、黒人地域に、自然環境を形成しています。

このコタカチの重要なエコシステムは脆く、大量伐採と鉱山開発などの産業による参入、植民にその存在を常に脅かされています。同様に、地域の文化の生存は、教育の不十分さ、政府、国際機関などの押し付けの経済システムなどさまざまな段階において、脅威にさらされているのです。

そのような状況にもかかわらず、多くのコミュニティーは主導権を取り、発展のためのオルタナティブな活動を始めました。コタカチ郡は、エクアドルで初めて、「環境保全条例」を承認し、「環境保全郡」を宣言し、オルタナティブで持続可能な発展の提供を目的に、有機そして共同生産の活動の先導を基盤とした組織がコタカチ郡の市民の参加を強化することに貢献しています。

「環境自治体」の条例は、環境を整え、持続可能な社会の創造を制度化し、自然資源を保護する法的な規範となっています。ここでは、この地域から発信する「持続可能な社会作り」を実践している現場を見ることができます。
アウキ・ティトゥアニャ

1965年1月2日生まれ。キューバの大学にて経済学を学ぶ。エクアドル、コタカチ郡の現郡知事。信念を行動に移すことをいとわない。キチュア民族出身ということと、その民主主義の思想、特に人種差別や新植民地主義に立ち向かってゆく精神から、ルミニャウイ(Ruminahui(注:キチュア民族の自由のために活躍した人物))とチェ・ゲバラに心酔している。天賦の才能である対話能力で、多文化の中で正しい道を見出していく。

1996年に先住民族キチュア出身として初めて郡知事に選ばれ、「民衆議会」など、すべての住民の意思を反映する政治を目指す。

1998年に来日し、コタカチ郡での取り組み、抱える鉱山開発問題、そして先住民族の文化や歴史、そしてアイデンティティーなどについての講演を行った。2004年から第3期目を向かえ、さらに市民の生活の質の向上のため、コタカチ郡の自然や文化を守るために精力的に活動している。
★スロー・キーワード:コタカチ

【資料】環境保全条例

コタカチ、サンタ・アナ自治政府「“生態系保護郡”コタカチ」を宣言する布告(全10章53条)
第一章  総則

コタカチに影響を及ぼす国、州、郡レベルでの環境の悪化は、社会的・経済的被害を引き起こし始めており、それがひいては発展の障害となり、住民の健康に影響を与えるようになっている。

コタカチ郡の原生林は生物資源、水資源の点できわめて顕著な豊かさを保持しており、それが美しい景観を作りだし、アンデス地域、亜熱帯地域双方に観光資源としての限りない可能性をもたらしている。しかし、これらの森林、そしてその生物多様性は、天然資源の管理の一般的な不行き届きからだけではなく、鉱山業、農業、皮革採取業、材木業によっても深刻な危機にさらされている。このように原生

林には、その生体系的・社会的機能を将来にわたって確実に保全できるようにするための支援が必要である。

郡の天然資源の保護と持続可能な運営は、現在のそして将来の世代の健康ならびに生態系や社会的安寧を確かなものとするために大変重要である。

1997年9月の第二回全郡総会で表明され、第三回(1998)、第四回(1999)総会で批准された住民の意思に従い、”生態系保護郡”コタカチを宣言することは郡議会の責任である。

生物多様性と健全な生態系を確実に守るための様々な環境政策に、責任ある積極的態度で参加する市民が、この郡の大いなる特徴となるであろう。

コタカチ自治政府は、郡の原生林と生物多様性の保護ならびに持続可能な運営が最高度に優先されるべきものであると宣言する。コタカチの原生林は郡の広範囲の住民のために、基本的に必要なものを作り出してくれる。従って原生林は林業、花卉栽培、アフリカ椰子プランテーション、材木業や鉱山プロジェクト、その他全てのこの手の産業活動をおこすために伐採されたり、汚されてはならないのである。郡当局はその資源を保護し、持続可能な管理を行う原生林所有者には、その保護活動を支えるための財政支援を与えることを保証する。

第二章  環境保護と天然資源の管理について
第三章  目的
第四章  「環境保護ならびに天然資源管理委員会」の性質と機能
第五章  市の「衛生・環境局」について
第六章  管理と持続可能な発展の方法
第七章  奨励策
第八章  禁止事項と罰則
第九章  一般的決定権
第十章  移行措置

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