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スロー・キーワード:バイーア・デ・カラケス


エコパペル

マングローブの森はカニや魚など多くのものを提供してくれるので、その森から生活の糧を得ていた人々は多くいたが、1970年代のえび養殖ブームにより、これらの貴重な森が破壊され、生活が立ち行かなくなった人々が多くいた。

そんな中、その恵みの生態系を守ること、貧困に窮した人々にオルタナティブな仕事を提供すること、リサイクルの重要性をわかってもらうなどの環境教育を目的として、町から出る排紙を利用したリサイクルペーパー・プロジェクトが始まった。

  働いているのはほとんど女性たち。彼女たちのアイディアで、野に咲く花をドライフラワーにし、それをデコレーションに使ったり、デザインを少しずつ新しいものにしたり、紙そのものの質を高めていったりしている。
 
エコパペルHP
★ナマクラ通販:エコパペルカード
有機エコエビ池

かつては、エクアドルにおいて、養殖エビは輸出第3位を誇っていたが、現在では、最盛期に比べると70%減少した。その理由として、主に養殖池拡大のためのマングローブ林の伐採、化学薬品の大量投与と過密養殖による生態系の破壊が挙げられている。

その状況を憂えて、バイーアでのエコシティー宣言に伴うマングローブ林伐採禁止令を機に、パーマカルチャーのノウハウを活かした有機エビ産業に切り替え、バイーアの生態系を守るプロジェクトがスタートした。抗生物質、化学物質の使用を徐々に止め、養殖池のそばにマングローブを再植林することに加え、ニワトリや牛や馬を買い、さまざまな植物を一緒に育てはじめた。

そうすると、いたるところに草木が育ち、それらを餌とする虫や鳥が集まるようになった。鳥はエビの数パーセント食べてしまうが、それよりも害をもたらす魚や虫も食べてくれるので、問題はない。太陽による水の浄化で、害虫や魚の化学薬品による駆除を一切必要としなくなり、植林により土壌浸食も減った。

マメ科の植物は、そのたんぱく質で、エビの免疫力を高め、空気中の養分を作り出してくれる。こうして現在では、多くの生物が、エビ池をひとつの生態系のようにした相互に関連しあっている。

ここの養殖エビは、世界初の有機養殖エビとして認定を受け、イギリスのマーケットに出荷されている。エビというと、漁で採れるものというイメージがあるが、実際は、かなりの割合が養殖エビである。それを考えるとこの有機エビの重要性は高い。

ワカマヨ・ツアーズ (Guacamayo Tours)

”Tourism for a better planet(よりよい地球のためのツーリズム)”をスローガンに、エコシティー、バイーア・デ・カラケスを中心とした海岸地方の体験型のエコツアーを行っている。

この地方の重要な生態系が存在する場や、エコロジカルなプロジェクトに取り組んでいる場に観光客と訪れることの他に、「観光客は、できるだけ訪れる国の環境への影響を少なくするべき」との信念から、観光客にゴミの処理(ゴミの分別、ペットボトルやポリ袋をできるだけ使用しないなど)、交通手段、電気の使用量、水の使用量や汚染(石鹸や合成石鹸の使用、排泄の場所に注意することなど)、食事(できるだけその地域で取れたものを食べること(おやつも地元のフルーツやユッカパンなどを出してくれる)、生態系のバランスを崩すような乱獲が行われている食物は食べない(ex.8cm未満のロブスターなどは×))、子ども同伴の場合の子どもへの環境教育などに配慮したツーリズムを推進している。

この事務所では、エコシティーの情報や取り組んでいるプロジェクトの情報を入手することができるのと同時に、地域の有機、あるいは環境に負荷を与えないフェアトレード・グッズの販売も行っている。

ワカマヨツアーズHP

リオ・ムチャーチョ環境学校

1993年に、この地で子どもからの環境教育を目的にスタートしたこの環境学校では、5歳から12歳までの子どもたちが勉強している。ここでは、通常の学校教育の他、生ゴミのリサイクルを子どもたちに教え、その考え方や方法を家族とシェアしてもらうようにしたり、バナナの木の植え方や水の使い方、それらのことを子どもたちが興味を持つように教えたり、子どもたちと森を訪ねたりしている。

また、この学校だけに限らず、バイーア・デ・カラケスの13の小学校で、子どもたちだけでなく、先生たちにも地域、そして地球規模の環境に関心を持ってもらう、そしてその大切さを頭でなく、体で感じてもらうためのプログラムを行っている。今まで行ってきたプロジェクトのテーマは、リサイクル、エコシティー、熱帯乾燥林などである。  

リオ・ムチャーチョ環境学校HP

リオ・ムチャーチョ有機農園

バイーア・デ・カラケスから北へ行き、そして少し内陸部にあるリオ・ムチャーチョはかつて熱帯雨林の密集地帯だったが、モントゥビオと呼ばれる沿岸農家の人々がこの地域に住み着き、森林を畜産と農業のために、リオ(川)・ムチャーチョに沿って開拓してきた。現在に至るまで、生活に必要なほとんどの食物を自給し、同時に商品食物を栽培してきた。

そのリオ・ムチャーチョにあるリオ・ムチャ―チョ有機農園とは、とは、エクアドルで最初に認められた有機農場のこと。ここではパーマカルチャー農法、バイオガス、雑廃水の浄化システムを取り入れるなど、自給自足で循環型の生活している。育てている植物も様々で、ミント、しょうがやターメリックなど、ハーブや香辛料も豊富(ここでの料理にたくさん使われていて、どれも食べたことがないようなオリジナル料理でおいしい)。使われている食器やかまどは、昔からこの地方で使われていたもので、地元の伝統文化も大切にしている。

ワカマヨ・ツアーズがコーディネイトを行い、このリオ・ムチャ―チョ農園にエコツーリズムリストやボランティアが世界各国から訪れている。ツアー客には、泥パック&マッサージ、有機カカオと有機砂糖で作るチョコレート、タグア(アメリカ象牙椰子)の指輪やキーホルダー、ひょうたんの食器などを作るワークショップにも参加できる。

何よりここでは、フタツユビナマケモノ&運がよければミツユビナマケモノを見ることができる。
 
リオ・ムチャーチョ有機農園HP
ハート・アイランド (Isla Corazon)

ハート・アイランドとは、バイーアの河口にあるマングローブ林が上空から見たとき、ハートの形をしているように見えるため、名づけられた島のこと。「いのちのゆりかご」と言われるように、マングローブの森には、見た目よりはるかに多い生命を育んでいる。それはたとえば、グンカンドリ、サギ、カニ、貝、魚など数えたらきりがないくらい。

ポルト・ベロというコミュニティーの出身のガイドさんたちが中心になって、カヌー乗り、マングローブそのものの他、そこに住む鳥やカニを見ながら説明してくれる。また自然だけでなく、たとえばどんなふうに漁を行うとか、人々の生活や文化も紹介している。こうしてコミュニティーをツアーの中に組み入れることによって、住民の人たちの副収入となり、また地元の人々も自分が住んでいる地域の生態系や文化のすばらしさを再確認できることになる。

  現在は植林されたマングローブが生長してきたため、ハートの形ではなくなった。
セロ・セコ

セロ・セコは「乾いた丘」を意味し、海洋性熱帯乾燥林にあたる。壊れやすい生態系である上に、熱帯雨林やマングローブ林などに比べ、人間が入りやすく、住民による生活資材の切り出し、材木業のための伐採が、後を絶たない。このような営利目的の土地売却や絶滅種の伐採を防ぐため、地元NGOが政府から170ヘクタールの土地を買い取り、私有保護区とした。

さらなる土砂の流出を防ぐため、そこではボランティアや地元の小学校の子どもたちと一緒に、特に板根を持つ在来種の植林が進められている。

セロセコの森HP
セロセコを含むベラビスタ村のHP

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