こんにちは。エクアドル派遣員のワダアヤです。ご無沙汰しています。
今、エクアドルでは大規模なストが行われています。3月13日から12日間、道路が封鎖され、交通網に大きな混乱がありました。新エクアドル派遣員の横山理絵ちゃんを首都のキトまで迎えに行った帰り、通常1時間半で着く距離に、なんと12時間かかりました。
主に先住民族、キチュア民族の人々がが中心になって、いくつかの県で、ストライキ、デモ行進が行われ、非常事態宣言が出されました。首都のキトでは、大通りで、ガソリンをふりかけたタイヤが燃やされ、政府や多国籍企業を糾弾する看板をたくさん見ました。先住民族が多く住むところでは、警察・軍隊と真っ向から衝突しているコミュニティーもあり、死傷者が出ました。道路封鎖の他、マーケットも閉鎖、ガソリンなし、ガスなし、でかなり日常生活に支障をきたしています。それにしても、私が住んできた3年の間、デモやストはけっこうありましたが、実際こんなに長引いて、生活に打撃を与えたものは初めてです。現在は、中断されていますが、4月3日から再開の見込みです。
この大元の原因は、TLC(Tratado de Libre Comercio)と言って、アメリカとの自由貿易協定が今、まさにアメリカの圧力に屈してサインされようとしていることです。政府によると、TLCが調印されると、市場が開かれ、雇用が増え、関税がなくなり、貿易規制が緩和され、自由競争が保障され、より多くの外国からの投資を受けられ…と一見いいことづくめに見えますが、これが調印されるとアメリカからの安い製品、主に農産物、ガソリン(石油はエクアドルから輸出しているのに!)、車がエクアドルに流入してきて、国内ものが売れなくなる、ということが予想されます。まったく買う必要のない、とうもろこしとかじゃがいもまでアメリカのものになる。水でさえ、エクアドルのものでなくなる可能性もあるのです。生態系の固有性、多様性が失われるだけでなく、農薬漬けか遺伝子組み換えのものが入り込んでくる。これにより農業は不振に陥り、出稼ぎのため農
民の都市部・海外流出がより増えるでしょう。
でも人々が何よりも怒っているのは、国民に何の知らせも、相談もなく、政府がアメリカのご機嫌取りためだけに、この協定にサインしようとしていることなんです。ラジオを聴いていると、突っ込んだ議論はなされずに、表面上の利点だけが強調され、人々を丸め込もうとしている印象を受けます。たとえば、ラジオでは専門家が、「TLCは一概に悪いわけではない。だって、車が安く買えるのだよ?」とか、「TLCの内容が問題なのではない。それを進める上での対話が問題なのだ」とか。えええ〜?そういうことか〜?と耳を疑いたくなるようなことをプロが言っているのです。CONAIE(エクアドル先住民族連合)という団体(エクアドル最大規模の先住民族組織)の3月31日の臨時総会でも、特に、今まであったTLC協議会の議事録、その他の情報を公開し、公開ディベートを行うこと、決定は投票をもってせよということを求めています。
またOXYという多国籍石油関連企業に対しても同時にデモ運動を続いています。ナマケモノ倶楽部では、これまでインタグの鉱山開発についてお知らせしてきましたが、エクアドルは石油産出国で、多くのアマゾンの森が石油開発のために壊され、川が汚染され、地域住民の生活が蹂躙されているのです。
今後どんな展開になるかわかりませんが、エクアドルでも、今こそ、よりオルタナティブな活動が求められていると言えると思います。国家に対して、声を張り上げることも大事だけれど、自分の足元がぐらつかないように、自分自身も、今から持続可能な生活をしていかないと、自分の生活が立ち行かなくなる、という危機感を持っています。
以上、エクアドルからでした。
ワダアヤ
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