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エクアドルスロープログラムvol.4 帰国しました!
「人と自然、人と人とのつながりなおし」〜ツアー簡易報告

エクアドルスロープログラムvol.4参加者。コタカチ・エコロジーセンターにて。
皆さんこんにちわ。スローツーリズム族の渡邉由里佳です。
ナマケモノ倶楽部エクアドルスローツアー、無事に第4回が終了しました。今回は6名という小さなグループでした。フットワーク軽く、エクアドルを深く歩いて来れたと思います。今回の参加者の方々の感想は、また別の形で皆さんにお届けできると思います。 皆さんも、いつか、つながりの国・スローエクアドルへでかけませんか。


●インタグの森と使命

エクアドル・インタグ地方の鉱山開発は、本当に今緊迫しています。山間を走るトラックの上から見る村の雰囲気や起こっている問題やいざこざなどの話をきき、その緊迫感は日本で予想していた以上でした。インタグの自然保護運動の父・カルロス=ソリージャさんには「皆がくる1週間前は、もっと緊迫していたんだよ!」といわれて、ちょっと足がすくみました。


「出て行け!デコイン」に書き換えられた看板

ガルシア・モレノというフニン村に行く時にバスを載りかえるところがあり、その村の入口に「ガルシア・モレノへようこそ!」と書かれていたはずの看板。現在はペンキで塗りかえられて「出て行け!デコイン!!」と書かれています。ガルシア・モレノの前の町長さんは、以前はばりばりの鉱山開発反対派だったのに、現在は先頭を切って賛成しているよう。お金をもらっているのではといわれていた。ここでもお金が人を支配するのと同時に、彼らの経済状況が窮地に瀕していることを示していました。

鉱山開発反対派への嫌がらせの電話をはじめ、賛成派を増やそうとしている鉱山会社の子供じみた手口もたくさん横行しているそうです。フニン村のとなりのコミュニティ、チャルグワヤク・バホ、チャルグワヤク・アルトはコミュニティの中で賛成派と反対派に分かれてしまっており、賛成派のおうちの中には、いつも猟銃を持ち歩いている人もいるらしい。

鉱山開発会社が配っているというリーフレットには、「鉱山開発を行った場合!こんなにたくさんの良いこと!」と書かれ、確かに現金収入アップのことや交通網(現地の人々、特に奥地に住んでいる人々にとっては、交通が整備されることは非常に大切な要素)も便利になるとか書かれています。でもよく読むと、実際にどこの誰がそれらを行う等細かいことは明記されていない。

前回2月のツアーで訪れた時には、雨季のはずなのに雨が少なかったのですが、今回は9月で乾季のはずなのに雨が降り始めていました。鉱山開発反対派のインタグ地方の人々による祈りの雨かもしれません。

フニン村のエコツーリズムのリーダー・エドムンドさんが、原生林を案内してくれながら言っていました。「一日でも早く雨季が始まれば良いな。そしたら鉱山開発会社の人たちは森に入れなくなるから」


インタグの森。2004年9月撮影。
フニンの原生林の中で思ったことは、森、自然は、私たち人間が人間として存在するための生命線だということ。「この壮大な森と、そこから生まれるきれいな水、美味しい空気を守っていくことが、ぼくたちの使命なんだ」とさくっと笑って語る森のガードマンたち。大切なものは何か,自分のルーツはどこかなどを全て体で理解している。彼らに敬意を抱かずにはいられません。

「その森を守ってください」と彼らに伝える中で、現在の村の人々の生活するための厳しい経済状況を見ていて、鉱山開発に代わるオルタナティブなもの、それはインタグコーヒーであり、サイザル麻の雑貨であり、他の作物であるのだけれど、それらをどんどん提案し、実際に広めていくことは、それは今度、先進国と言われる国に住む私たちのひとつの重要な使命なんだろうなと、改めて思いました。

(写真・文:・渡邉由里佳)

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