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コタカチ・エコロジーセンター、リニューアル・オープン!

エクアドルのカフェスローをめざして!

コタカチ・エコロジー・センター(CEC)のスタッフと。(右端がワダアヤ)

2004年4月1日(ナマケモノMLより)

私が特にコタカチで力を入れていたのは、コタカチ・エコロジー・センター(Centro Ecologico de Cotacachi)の再オープンです。

 このセンターは、もともと、ナマケモノ倶楽部の世話人、アンニャ・ライトさんがここコタカチで地元の人たちや海外からの旅行者、ボランティアに環境保全郡の情報発信しよう、そして活動の場を提供しよう、またここコタカチ郡産(インタグ)のおいしいコーヒーを飲んでもらおうということで、2000年に設立したものでした。
しかしながら、人手不足のため、私が1回目にエクアドルに来たときには、ボランティア受け入れ以外は、機能しなくなっていました。

 私が2回目にエクアドルに来たとき、すなわち2003年8月には、ドイツからのボランティア、ドリット・ハンセンさんが、このコタカチ・エコロジー・センターに私より1ヶ月先に来ていました。
彼女は、以前オランダで環境マネージメントの仕事をしており、非常に有能な環境活動家です。彼女は、エクアドルにおけるナマケモノ倶楽部の活動を理解してくれ、さらにさまざまな局面において、私をバックアップしてくれました。ナマケモノ倶楽部のスロー・ツアー、エクアドル初のキャンドルナイトなど、一緒に取り組んでくれました。
 
 最初の数ヶ月は、ドリットと私は淡々とそれぞれの仕事に取り組んでいたわけですが、私たちはひとりの先住民の男の子と出会いました。
彼の名前は、ルイス・フローレス。彼は、コタカチ民衆議会のアンデス青年会(コタカチのキチュア民族の若者が集まって、先住民族の文化の保全とオルタナティブな経済の発展のための会)のメンバーです。最初、ひょんなことから知り合ったのですが、その後彼は、コタカチ・エコロジー・センターに英語を学びに来ていました。
私とドリットは、そのとき物置と化していたエコロジー・センターをなんとか有効活用したいね、と話していたのですが、そこにルイスが、青年会のメンバーがセンター再オープンを一緒に企画したいという話を持ってきてくれたのです。またそこに、ナマケモノ倶楽部の地域通貨、タグアのナマケコインを作ってくれている、タグア・ムユのアデライダ・ゴンサレスさんも一緒に関わることになりました。
 
 最初は、まず目的を明確にすることから始めました。
・ 環境保全郡コタカチの生態学的文化的多様性の紹介と市民の環境への意識を高めること
・ どのように「エコロジカル」に生きることができるかを提案すること(環境保全条例の紹介、コンポストのやり方など)
・ 市民と海外からの旅行者やボランティアに環境活動情報やエコツーリズムの情報を提供・発信すること
・ 環境保全につながる活動(ワークショップなど)を企画し、行うこと
・ 環境保全につながる活動の場を提供すること
・ コタカチ郡の有機生産物、環境にやさしい手工芸品の販売促進と、市民の消費を促すこと(手工芸品&生産品の販売、およびオーガニック・カフェ)
・ コタカチ民衆議会アンデス青年会の活動を推進すること(場所の提供、青年会の活動紹介など)

を目的とし、ミーティングを重ね、店内、サービス、物販、広報担当などを決め、資金がないながらも、やろうと意思を固めました。

 そこからものすごい勢いで回転し始めました。穴だらけで水漏れの激しかった天井を直し、壁を塗りなおし、家具、食器、装飾品の調達、生産者グループとの連絡、情報収集、ポスター作り、税金対策など、やることは山ほどありました。天井を直す、壁を塗りなおす…と言ってしまえば、それまでなんですが、これに時間がかかったこと。
資金は、ここに住むボランティアたちが入れる家賃のみ。天井以外は、だから自分たちでできることはやるしかない。(しかしその天井直しの職人さんも、かなりいい加減だった。)
ドリットと私の他の海外ボランティアは入れ替わり立ち代り。青年会のメンバーも、最初は5人いましたが、一人抜け、二人抜け、そして三人抜け…。それも来たり、来なかったり、と私とドリットはフラストレーション爆発炸裂。意見の相違もあったし、うまくいかないこともあったし、みんな完全ボランティアだから、できることとできないことがある。
しかしながら、3ヶ月間やりぬきました。青年会からは、ホセ、その他、オーストラリアのリリア、日本のゆかさん、アメリカからケイト、ジョー、オランダのマリット、レニー、そのほか多くの方々の支援、ご協力を得て、このセンターの再オープン準備を終えることができたと思っています。
 

くつろぎの2Fスペース

入口の看板

 

ここで、扱うことにした商品は、
* UNORCAC(コタカチの農民と先住民の組織連合)の木苺のワイン、ジャム(ツリー・トマト、うり、かぼちゃ、苺、木苺、パッションフルーツなど)、唐辛子(乾燥、ペースト、酢漬け)、ウヴィージャというほおずきに似た実を乾燥させたもの、ハチミツ
* AACRI(インタグコーヒー生産者組合)のコーヒー
* ロサルというコミュニティーの女性たちがつくる石鹸とシャンプー(これは私たちのアイディアで量り売りをしています。)
* グルーポ・デ・ムヘーレス・イ・メディオアンビエンテ(女性と環境のグループ)のカブヤ(サイザル麻の製品)
* サリナスという場所のチョコレート
* マンドゥリアコスという場所のヘチマ商品
これらの商品を彼らの写真や背景などと一緒に販売しています。

 またカフェメニューは、キッチンがないので、すごく簡素ですが、
* インタグ・コーヒー
* フルーツ100%ジュース (庭に生えているものか、有機栽培のものを使っています)
* 庭で取れるハーブのお茶
* スタッフが作るケーキ
* ミシュキ・ヤク&トルティージャ(ミシュキ・ヤクは先住民キチュア族のことばで、「甘い(おいしい)水」。
これは甘いハーブティーを指します。ここで言うトルティージャは、とうもろこしの粉で作るお焼きのようなもの)です。簡単だけど、心こめてます。
 
 そして3月20日春分の日、私たちのコタカチ・エコロジー・センター(スペイン語でセントロ・エコロヒコ・デ・コタカチ、略してCEC)のオープニングを迎えることができました。その前に、ナマケモノ倶楽部のスロー・ツアー参加者の方々が、オープン前から来てくださっていて、オープニング・セレモニーは、2回目という感じでしたが、ルイスはキチュア民族の正装をし、私たちはギャルソン・エプロンを身につけ、お客様を迎えました。この日、SISAYでおなじみの、ルイス・タビくんが、
家族を連れて、演奏しにきてくれました。ただ、この日は、キチュアの文化では、新年にあたり、イベントがたくさんあったということで、見事にお客さんをそっちに取られてしまいましたが、私個人としては誰よりも来てほしかったインタグの環境活動家の先駆的存在である、カルロス・ソリージャさんが来てくださいました。その他にも、友人たちやスタッフの家族が集まってくれて、私にはそれだけで十分でした。(あ、そうそう、SANEの杉田優子さんが、オープニングの前日にいらしてくださいました。

 その夜は、キャンドルナイトを行いました。前回と同様、キャンドルを集まってくださったみなさんにお渡しして、一人ずつ自己紹介&小さな炎のリレーを。後は、エクアドルですから、踊りです。ハヤリの音楽から、伝統的民族音楽まで、踊り倒しました。ルイス・タビにサルサを教わりましたが、私は、へたくそで、全然彼についていけませんでした。
 
 今、CECカフェは、そこそこで、友人・知人がふらりとやってきて、コーヒーを飲んだり、何か買ってくれることもありますが、基本的にはまだまだ走りだしたばかりで、売り上げは芳しくありません。もっと宣伝をやって、広げていかないとスタッフへの交通費もままなりませんが、でもアンニャがエクアドルに帰ってきて、庭も、パーマカルチャー・ガーデンとして開放できるようにしようと
取り組むことになりました。また青年会では、リサイクル・ペーパーに取り組むことになっていて、そのワークショップに、CECを使っていただけることになりました。
 
 基本的にはボランティアによって運営されているので、スタッフは変われども、こうやって少しずつ少しずつ、コタカチに浸透していけばいいと思います。またここでやりたいことはたくさんあります。
 
 でも何より私にとって大きかったのは、この再オープンを通して、私たちは、お互いの絆というか、深い関係を築くことができたことです。今まではどうしても私自身、地元団体のカウンターパート、仲間というよりも、対する相手だったのが、これを通して地元の人たちと何かを創り上げられたという実感です。今は、キチュア文化にはまっていまして、キチュア語をがんばっておぼえています。
 
 さらにドリットや、アンデス青年会の男の子たちは、ナマケモノ倶楽部の国際会員になってくれました。またそれぞれコタカチ環境保全郡の理解を深めることができたと思うし、またそれに寄与することができたのではないかと思っています。

 どうぞ、みなさん、エクアドルにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。またボランティアも募集しています。海外ボランティアやってみたい!という方はどうぞお問い合わせください。

 では、長くなりましたが、この辺で!カヤ・カマ(キチュア語で「またね」の意)!

ワダアヤ 

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