エクアドル鉱山開発問題
スローツーリズム
エクアドルレポート
-バイーア・デ・カラケス
-コタカチ
-フニン
-エル・ミラグロ
   
エクアドル基本情報
-バイーア・デ・カラケス
-コタカチ
-インタグ
-サリナス
   
エクアドルの多様な生態系
- 雲霧林
- 熱帯乾燥林
- マングローブ林
- 熱帯雨林
   
ナマケモノのフェアトレード
- インタグコーヒー
- カブヤ(サイザル麻)
- エコパペル(再生紙カード)
- タグア(アメリカゾウゲヤシ
 
キャンドルナイト@エル・ミラグロ

満天の星空の下で
ナマケモノ倶楽部のみなさんへ

 こんにちは。エクアドル派遣員のワダアヤです。 少し遅れましたが、エクアドルのキャンドルナイトの報告です。みなさんのキャンドルナイトはいかがでしたでしょうか?

 私たちのナマケモノ倶楽部のスローライフ実践農園、「エル・ミラグロ」で、キャンドルナイトを行いました。

 エル・ミラグロとは、スペイン語で「奇跡」という意味です。奇跡が起きる、あるいは私たちが奇跡を起こすという願いがこもった場所で、エクアドルでの3回目のキャンドルナイトを行いました。
 エル・ミラグロは、私が住むエクアドルコタカチ郡の亜熱帯地方、インタグにあります。インタグの世界に誇る生物学的多様性存在する森です。

この森林は、地域固有の種や絶滅の危機に瀕する種を数多く擁することで知られています。みなさんが飲んでくださっているコーヒーは、この森で生まれ、育まれます。このコーヒーは、森が失われてしまったら、栽培できません。この雲霧林の湿気、そして養分、多様性がコーヒーには欠かせないのです。

 ナマケモノ倶楽部の世話人、アンニャ・ライトさんは、ここで、木の家を建て、ボランティアととに、パーマカルチャー農園を少しずつつくっていっています。今、エクアドルのナマケモノ倶楽部の拠点である、コタカチ・エコロジー・センターのボランティアたちは、石の家を作成しているところです。エル・ミラグロのそばには、川が流れているので、その石でおうちを作ることになったのです。板やセメントはインタグでは手に入らないので、コタカチやオタバロという比較的近い町で購入し、トラックに荷を乗せ、近くまで運び、それから馬でがけを下るような感じで運びます。

 家の設計はアンニャ、そして地元の人たちとボランティアで一段、一段と石とセメントで壁を積み上げています。詳しいことは、同じくナマケモノ会員で、現在エル・ミラグロで汗を流しているキノ・マクドナルドくんからあると思うので、少々お待ちを。

 私は、アプエラというエル・ミラグロから車で30分ほど離れた町で、AACRI(インタグ・コーヒー生産者組合)にてミーティングがあったので、それに参加してから行くことにしました。いつもエル・ミラグロに行くときは、カルロス・ソリージャさん(インタグの環境保護活動家)の家経由で行くのですが、今回は近道を。しかし、一人でこの道を行くのは初めて。ラッキーにも友達に車でいけ
る一番近いところまで連れて行ってもらえたのですが、そこから山を下ります。着いてから、アンニャの家はどこ?と車を降りたところに住んでいる人に聞きました。そこの人は、下っていけばすぐに着くよという。それでいいのか?と思われましたが、時刻は6時半。早くエル・ミラグロにたどり着かないと暗くなるので、下ることに。

 途中まではよかったのですが、気がついたら、人のうちの農園に紛れ込んでいました。周りはサトウキビとバナナの木だらけ。ここはどこなのか知りたくて、誰かいないかと呼びかけてみましたが、誰もいない。でもアンニャのうちのそばにある樹齢100年を越すというアボカドの木が、少し遠くだけど見える。それに向かっていけばいいと思って、あてもなく道もないところを歩きました。そして道らしきところに出たと思ったら、人影が。なんとそれはカルロスでした。もう暗くなっていたし、どうしようと少し焦っていたので、カルロスの顔を見たとき、本当に嬉しかったです。彼も、アンニャのところでキャンドルナイトを過ごすために行くところだったのです。これぞキャンドルナイトに起こる奇跡(?)。

 エル・ミラグロに着くと、アンニャを含むCECスタッフ10名、カルロスの奥さんのサンディーと息子さんのマルティン、それからサンディーの友達のエズラ、それからインタグの環境保護団体、森のガーディアンでボランティアをやっている学生さんがわいわい焚き火を囲んで歓談中でした。みんな一日石の家を作るために働いたので、疲れているようでしたが、心地よい肉体的な疲れ(本人たちがどう感じているかはわかりませんが)がまたこのゆったりした空気を作っているような気がしました。

 私は大量にキャンドルを持ってきていたのですが、焚き火はキャンドルとはまた違った味わいがあり、このときはキャンドルは野暮な感じがして、焚き火のままで過ごしました。空は満点の星。ここエクアドルは赤道直下なので、北半球、南半球両方の星が見えます。厳密に言うと北半球に位置するインタグで、南十字星が見えるのです。キノくん、それからアンニャは、ここエル・ミラグロで作った歌を披露してくれました。

私は、インドアな人間で、おうちが大好きなので、あまり焚き火を囲んで過ごすということはありません。自称「ファイヤービルダー」のキノくんは、火の勢いがなくなっても、的確に新しい枝を置き、空気を送り、炎を復活させます。私が適当に風を送っても全然火はつきません。おお、自然の力ってすごいって思いました。またその力を認識している人もすごい。それから、なんというか、じくじく赤く燃える枝や木からもなにかエネルギーをもらっているような気がしました。火を見つめながら、ボーっと何時間も過ごしました。特にキャンドルナイトを意識したわけでもない、でもゆっくりして、ゆったりとして、意味なんか考えないな不思議な夜でした。

 そんなエクアドルのキャンドルナイトならぬ、焚き火ナイトでした。

ワダアヤ

上にもどる