エル・ミラグロとはスペイン語で「奇跡」を意味します。
ナマケモノ倶楽部世話人のアンニャ・ライトさんがなぜこの名前をつけたか。その意味を私はこちらに来てから知ることができました。
ここはインタグの山々に囲まれ、近くには川が流れ、木々が茂り、くだものがたくさん実り、広い庭には野菜が植わり、草原にはアンニャの愛馬シャンティーがゆっくりと時間を過ごし、牛たちも穏やかに昼寝したりしています。
今ではこのように心地よい時間を過ごすことができる場所ですが、4年前にはここには家も畑もありませんでした。その場所をボランティアの力、管理人を務めてくれているルイスの力で、少しづつ今の姿にしていきました。
そして今年の6月から、さらにこの場所を活用すべく、アンニャは石の家造りに取り組みはじめました。家造りの知識がない人たちが家を造るというだけでも大変ですが、何と言ってもこの場所で家を造るということだけでもとてもとても大変なことです。
というのもここは山のふもと。石は川や家の近くから運ぶことができますが、資材を運ぶには急な山を下ってこなくてはなりません。身一つで歩いても40分ほどかかる山道を下るか、もしくは道のない急な斜面を下るというより「落ちる」ようにして資材と共に運びます。
何もなかった土地をならすところから始まり、型を作って石とセメントを流し込んで、少しづつ壁を高くしていきました。そして、2階にはバルコニーつきの木造りの部屋まで造られました。8月21日に3ヶ月に渡る家造りがほぼ終了しました。2階からの眺めは最高です!
この作業ができたのも、ボランティアのキノ・マクドナルドさんや管理人のルイス、そして大工さんであるフィデル、マウロ。ご近所さんのよしみで手伝ってくれたセサリオの力があったからこそです。特にナマケモノ倶楽部会員で世界放浪中のキノさんの持つ何でもできてしまう身のこなしの良さ、コミュニケーション能力の高さが、家造りと共に仲間つくりも同時にしてくれました。
仲間つくりというのが、エル・ミラグロのこれからにとってとても重要です。これまでの4年間は、ルイスが管理をしてくれていましたが、山間のこの場所はふとすると隔離された場所になりかねませんでした。
でも今では、素敵な家もあり、庭もあり、まさにスローライフを実践する場所としては最高の場所です。しかしそれと当時に、生きていくのに頭を使ったり、技術を必要ともします。そんなとき、ここで暮らす知恵をもった仲間が、大きな力となります。
アンニャがここを奇跡と名づけたわけ。
それは何もなかった場所を、こんなにも素敵な場所に変えていくことができる力を私たちが持っているということ、そして、さらにここをナマケモノ倶楽部が目指しているスローライフを実践できる可能性を秘めているということからきているのだと思います。
ツアーで訪れるみなさん、ぜひ楽しみにしていてくださいね。山道を歩いた息切れの後には、心地よい場所が待っています。また、次回ツアーのときなど、機会があるときにはぜひみなさんもいらしてください。パーマカルチャーを実践勉強したい!という方などにもお勧めです。
またここに訪れるのは無理でも、今年の9月後半からアンニャさんのツアーが日本各地で行われます。自然のエネルギーを感じられる彼女の感性、この場所で子育てをする母親としての
彼女の強さ、そんな彼女から生まれでる歌。これらのものに出会える絶好の機会です。エクアドルの風も一緒に運んでくれると思います。
もうすぐ4歳となるパチャ、1歳になったばかりのヤニにも出会えます。自然の中でのびのびと育ち、生き抜く強さももった彼らの笑顔は本当にかわいい!ぜひぜひ楽しみにしていてくださいね。
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