8月22日月曜日、アセンダント社は、なたを持った100人近くの賃金労働者を引き連れ、フニン鉱山開発計画によって影響をうける可能性の最も高い3つのコミュニティーの意志に反して、道路補修工事のための機材を無理やり運び込もうと試みた。
労働者たちは、鉱区から遠く離れた地域の者たちで、建前としては道路工事のためになたを持ち、日給40ドル(一般的な日給の5〜6倍)を支払われていたとのことである。
対決は、ロマ・ネグラと呼ばれる地域とチャルワヤク・アルトの間の比較的フニンに近い狭い道路で起こった。3台のトラックに乗った80人あまりのフニンや近くのコミュニティーの人々が、アセンダント社の賃金労働者たちと対峙し、進行を阻んだ。地域発展評議会会長のポリビオ・ペレズ氏が一番に到着し、言葉による攻撃と体への暴力の最初の標的となった。
暴力はフニンの代表団が到着すると同時にやんだが、殺しの脅迫や言葉による攻撃が続いた。報告によると、ある時点で汚職で捜査を受けた経歴のある元国会議員ロナルド・アンドレード氏のハンドガンで武装した数人のボディーガードがペレス氏を脅迫したが、木や鋼鉄の棒をもった女性たちが、ペレス氏に触れたら殺すとボディガードたちに告げ、彼女たちのコミュニティー
の指導者を守り、ボディガードらを退却させたということである。アンドレード氏は今回の衝突の中で数度にわたりポリビオを脅迫した。
緊迫した対立は平和的に終結した。隣人同士の血を見るような対立を避けるため、実際に影響を受ける地域住民だけが今週の金曜日に話し合いを持ち、今後のことについて決定するということが合意された。それまでは、現在行われている道路補修工事の継続が許可された。しかしながら、この合意の数時間後に、アンドレード氏と数人のボディガードらがポリビオ・ペレズ氏の家に車で乗り付け、その後近くの河原へ行って発砲、ポリビオを恫喝しようと試みた。銃声のあった時、ポリビオの妻と子供たちは家にいたが、怪我はなく、家にも弾はあたっていない。明かな脅迫である。
アセンダント社の社員であり、同社のチンピラ集団のボスであるネルソン・モレノ大佐と名乗る人物は、地元代表団に対して、鉱山開発を早めるために社は道路工事機材を送り込んだと脅迫した。以前の会見時には、アセンダント社の代理人は地域の道路の維持をヒモなしで提供すると申し出ていたのだが、多くの人々はそれを鉱山開発への支持を得るためのことであろうと見ていた。その申し出を殆どのコミュニティーが断ったが、受け入れた地域もあった。
アセンダント社は、支持を集め反対派を分裂させるために、地元にとってデリケートである道路問題を恥知らずにも利用している。市場へ商品を運ぶために地域の殆どの人々がより良い道路を必要としている。しかし、アセンダント社の行動はその偽善を見通され、より多くの人々から拒絶されている。
今月上旬にフニンで行われた会議では、アセンダント社に依存しないために、道路問題については州政府に対応を求めていくという合意がなされた。州政府もこれに合意したが、機材と雇われ暴力団を引き連れてアセンダント社がやってきたのは、その3日後であった。
現在の状況としては、明日金曜日に道路問題に最も関わりの深いコミュニティーの代表のみで再度会議が行われる予定である。この会議には、退役軍司令官のシーザー・ヴァラチ(アセンダント社の地元連絡係)が出席するということだ。ヴァラチは軍情報部とつながりを持っている。
地元側は、恐らく厳しい条件付きで機材の搬入を受け入れると予想される。その条件とは、工事が鉱山開発また地域住民の鉱山開発への支持と無関係に行われること。そして工事が特定の時間的制限を持って行われ、終了したら立ち去ること。いずれもアセンダント社には受け入れがたく、受け入れたとしても守るとは思われない条件である。
フニン、そして他のもっとも鉱山開発に影響を受ける可能性の高い3つのコミュニティー(セロ・ペラド、バルセロナ、エル・トリウンフォ)は、彼らの地区の道路に機材を置くことを全面的に拒絶している。彼らはその立場を変えそうには思われない。
フニンは他の地域(チャルワヤク・バホ、アルトとチョンタル)が諦めた場合、州政府へ助けを求めることになる。しかし、選挙キャンペーン期間中は、辺鄙なコミュニティーは忘れ去られ、より人口の多い地区が重視される傾向がある。デコインは、言うまでもなく、鉱山開発プロジェクトと、採掘会社からのいかなる「援助」にも反対する地域開発協議会と地元コミュニティーのサポートを続ける。
情勢としては、必要な支持が得られていないアセンダント社にはあせりが見え、フニンから遠く離れた場所のコミュニティーや地域政府、学校などに支持を求めて奔走している。大学や高校にコンピューターを提供すると申し出たり、町のイベントに資金を提供したり。。。などなど。
アプエラ高等学校のケースでは、校長に「欲しいものを何でも書いて提出」すれば、アセンダント社が資金を提供すると告げた。幸いなことに校長はまず父兄とミーティングを持つよう警告を受けた。そのミーティングで、殆どの父兄が申し出を拒絶した。父兄や一般の人々が問題をよりよく理解できるために、デコインとアセンダント社の公開討論会を開くことが合意された。私たちは、その討論会を楽しみにしている。
8月27日金曜日、フニン地区の5つのコミュニティーが、道路を補修するというアセンダント社側の提案を拒絶したことによって、アセンダント・エクスプロレーション社に更なる打撃が加えられた。この決定によって同社は機材を撤収し、地区を立ち去ることを余儀なくされた。
チャルワヤク・アルト、チャルワヤク・バホ、フニン、チョンタル・アルトとラ・アルメニアのそれぞれのコミュニティーの代表は、アセンダント・エクスプロレーション社のインタグ地区代理人、ネルソン・モレノ大尉と会見し、採鉱プロジェクトを支持することと引き替えにコミュニティーの道路を補修するという申し出をきっぱりと拒絶した。地元側は、州政府に道路工事を行うよう圧力をかけていく予定だ。これらの工事は当然州政府が責任をもっておこなうべきことである。
一方、アセンダント社は、最近同社のホームページに、鉱区での活動(サイトによると、掘削)を開始したという誤った情報を発信している。これは事実からほど遠い。同社はそのような活動を始めるために必要な環境影響調査も行っておらず、殆どの鉱区(ゴールデン1、ゴールデン2)が存在するフニン地区の人々は、彼らの土地への同社のいかなる侵入の試みも防いでいる。その地区に入ることなしには、合法的に環境影響調査をすることは不可能である(「合法的」というのがキーワードだ)。
フニンの最新状況は、以下のページで。
http://www.decoin.org/weblog.html
この問題にもっと関わりたい方、それぞれの場所で、何でも良いから始めて下さい!
デコイン
カルロス・ソリージャ
(翻訳:斎藤まや)