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ボランティアレポート:フニン村の生活

 


こんにちは。エクアドルより横山理絵です。今日は鉱山開発問題の渦中の場所であるフニンの生活について少し紹介したいと思います。

10月4日から私は生活の拠点をエコロジーセンターのあるコタカチという町から、フニンへと移転しました。そして1週間、ツーリスト用のキャビンで生活していました。キャビンには、管理人としてオルガさん(30歳、女性)が3人の子供と住んでいます。

3人の子供たちは、朝7時過ぎに村の中心にある学校に向かいます。学校は1時に終わるのですが、学校近くにおばあちゃんのうちがあるため、毎日おばあちゃんのうちに寄って遊んできます。
キャビンに戻るのはだいたい4時か5時くらい。

帰ってくるとまず宿題をはじめます。一番上のロビンソン(10歳)は学校一の秀才で、1人もくもくと宿題を片付けます。2番目のマウリシオ(7歳)はひょうきん者で、ちょっと進んではあれやこれやとしゃべりなかなか進みません。一番下のマリ(5歳)はまだわからないことがいっぱい。マウリシオが何かと世話をやきながら進めるのですが、世話をやいているマウリシオがイライラしだして、間違えるたびにピシピシ頭をたたきます。それを見ていたロビンソンはマウリシオを一喝。ゲンコツをひとつ。マウリシオでは手が負えない分を面倒みて宿題を終わらせます。

兄が一人だけだった私はこの子たちのやり取りがとてもうらやましく思えました。お父さんのいないオルガ一家では、ロビンソンが時として子供たちのお父さんのようでもあるくらいしっかりしています。

10月9日には鉱山反対コミュニティーが大々的に集まって集会があったのですが、それにもロビンソンは参加しました。片道歩きも含めて5時間ほどかかるので、帰るとぐっすり眠っていましたが、次の日にはその様子を留守番だったお母さんのオルガや村の人たちに生き生きと話します。大人たちもしっかりと彼の言葉を受け止め、ヘンに子供扱いしたりしません。

また、集会の次の日には鉱山開発問題の取材でテレビがきました。村の人たちは緊張してしまって、テレビ会社の人たちとなかなか会話をしません。しかし、DECOIN(エクアドルのNGO・フニンを支援し続けています)の会長シルビア・キルンバンコさんが同行してくれていました。

彼女は鉱山開発問題が起こったときからフニンを支援し続け、「絶対に森を残すことが次世代の子供たちのためになる」と信念をもって活動している人です。彼女はこれまでのいきさつを順を追って話し、またエクアドルと日本がコーヒーや手工芸品のフェアトレードでつながっていることなどを細かく話していました。

彼女自身も一家の主婦です。しかしこの問題に関わり続け活動し、また村の人たちともじっくり話をします。あるときには村の人々よりも状況を把握し、村の人たちともしっかりとつながって、彼らをひっぱっていく。彼女のような存在がいることが、とても心強く思えました。

取材のあった日は日曜日。村の中心にはお昼を過ぎたあたりから人が集まりだし、男の人たちはバレーで遊びはじめます。エクアドルでは「エクアボリー」といい、サッカーボールでバレーをします。生活に必要な筋肉を持った彼らのバレーはとても迫力があります。

村の中心と言ってもある人は村まで1時間ほどかかります。それでもみんな集まっていろいろな話をしたり、何にもせずに座っていたりします。彼らにとって徒歩1時間圏内の人たちはひとつの家族です。

ふと、自分の生活で徒歩1時間圏内を思い描いてみましたが、1時間先にあるコンビニや友達のうちは思い出せても、その間にあるうちの人の顔は全く知りません。彼らにとっては村全体が姻戚関係でほとんどつながっているため、家族意識もより強いと思いますが、自分のコミュニティーの人たちを家族と思えるか思えないかはとても大きな差だと感じました。

今は一度コタカチまで戻ってきましたが、明日からまた村に戻ります。12月31日に帰国することが決まったのですが、それまで村に滞在し、フニンの人々と生活を共にします。

滞在中には、村の薬草を村の人やツーリストの人が見れるように押し花にして効用を書いたファイルを作ったり、村の歴史を展示できるようにしたいと思っています。

また、村の女性グループの人たちと一緒に手工芸品も作りたいと思っています。3ヶ月弱の間に、村から見た鉱山開発問題、村の生活などを、時々コタカチに戻ってきてみなさんに紹介したいと思っていますので楽しみにしていてくださいね。

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