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ボランティアレポート:フニン村のツーリズム

フニン村の子どもたち

フニン村より横山理絵です。
今日はフニン村のツーリズムについて報告したいと思います。

フニンでツーリズムが実質的に始まったのは4年前。初観光客は、何を隠そう辻さんのゼミ生20名であり、私や藤岡亜美さんもそのうちの1人でした。フニン村では「コミュニティーツーリズム」を目指しており、フニンでの生活フニン村の抱える鉱山問題を知ってもらうことが大きな目的です。これを実現するためには、コミュニティー内全体の協力が必要であり、村の人たちが常にツーリズムを意識していくことが要求されます。

しかし、現在まだそこまで至っていないのが現状です。村の人たちは全員それぞれ日々の生活、仕事を持っています。多くの人が農業で生計を立てており、野菜や家畜たちはツーリズムに従事する暇を与えてはくれません。

みんなツーリズムには関心を持っているし、4年前に比べると、かなりツーリズムの仕事がスムーズになってきました。でも生きていくためには日々の生活、仕事が優先されるのは現状では
しかたのないことでもあります。

何よりも、村の人たちは「目に見えるもの」は納得することができても、なかなか「イメージすること」を信じません。ツーリズムが機能していくことが、鉱山開発ではない発展をしていくことなのだと言いつつも、今、それによって得られた食べ物や利益がないというのが、仕事を優先する要因です。

先日、1ケ月ぶりにコミュニティー保護区に行ってきました。到着するまでは急な山道を歩かなくてはならないのですが、いつも森の美しさに疲れを忘れさせられます。

しかし、保護区に到着する寸前、悲しい光景を目にしました。保護区手前の道の脇の土地所有者が、木を切り倒してナランヒージャ(オレンジとキウイを合わせたようなパッションフルーツ)を植えていました。

ナランヒージャは今とても高く売れるので多くの人が栽培していますが、ナランヒージャを育てるには科学薬品が必要で、2年ほど後に植物が枯れた後は土地を再利用することができず、牧草地にするしかありません。これが今大きな問題となっています。

エコツーリズムリーダーのエドムンドさんは、ナランヒージャを植えることは鉱山開発をすることと大差ないと嘆き、村の人たちにも何度も話しています。しかし皆「わかっているけどしかたがない」と言います。私も村の青年オスカルとこの件について話をしたのですが、「でも僕たちは生きていかなくてはならないんだ。お金も稼がなくてはならない。そのためには植える以外にどうしたらいいんだ?」と言っていました。

咄嗟にこの問いに答えることができなかったのですが、「それでも私たちは違う道を探さなくてはならない。ゆっくりとしか成果は現れないかもしれないけど、単発的な利益を求めてはならない」とちゃんと答えなければならないと思っています。

フニン村のツーリズムはゆっくりゆっくりゆっくり前進中です。

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