12/10、インタグ地域の20のコミュニティから、100人以上の住民がチャルワヤク・バホの集会所に集まり、開発評議会による議事進行のもと、アセンダント社の撤退を求める意思表明として、同社の設備を焼き払う決議を民主的に行った。
一連の行動は、アセンダント社に雇われた住民が焼き討ちを阻止するために現場に来たものの、けが人を誰1人出すことなく行われた。またアセンダント社従業員は、建物に火をつけられる前に、貴重品を建物外に持ち出すことを許可された。
焼き討ちの対象となった施設は、アセンダント社が「地域発展プラン」として掲げている農業試験センターとして使われる予定のものだった。しかし、実際には同社のインタグにおける鉱山開発拠点であり、一連のいやがらせの司令塔であった。
DECOINは暴力を認めていない。しかし、少なくとも今回の行動が起こった前後関係を理解することなく、直接行動の評価はできないことを強調したい。
今日の施設焼き討ちというデモンストレーションは、1年半にもおよぶコタカチ郡政府およびアセンダント・コッパーコーポーレションがすすめる「フニン鉱山開発プロジェクト」に反対する個人・団体に対して実行された陰湿な嫌がらせ、脅し、殺人脅迫、裁判(冤罪での起訴)、道路封鎖、暴力行為が引き起こした結果にほかならない。同時に、アセンダント社がやってくる前には存在しなかった、インタグの各コミュニティにおける鉱山賛成・反対という住民の分裂が引き起こした結果でもある。
これまでインタグの各コミュニティはアセンダント社に対し、彼らの土地に入らないでほしい、鉱山開発問題に巻き込まれることなく平和に暮らしたいという住民の決断を尊重してほしいと、何度となく申し入れてきた。そして、それらの願いはことごとく無視されてきた。
そんな状況の中、鉱山開発会社がコミュニティ近辺の土地をかたっぱしから買収していることが明らかになり、インタグ住民の忍耐はついに限界に達した。
アセンダント社の買収行動は、地元業者による土地買収を誘発した。彼らは新しく土地を獲得してはアセンダント社に法外な値段で売りつけ、結果的に同社はインタグ地域において何千ヘクタールもの土地を所有することに成功した。
しかし、違法に売買されたこれらの土地の中には、フニンのコミュニティ保護区が何百ヘクタールも含まれているとの情報がある。この保護区は1998年以来、エコツーリズムプロジェクトの一環として、コミュニティによって管理されている土地だ。
この他にも、鉱山開発計画に反対する個人の土地の所有権が、勝手にアセンダント社に売られているケースもある。残念なことだが、アセンダント社による土地買収計画はいまだ続いている。
このアップデート情報をみなさんに書きながらも、DECOINは、今日起こった事件を手放しで喜べないでいる。もし、みなさんがインタグ住民によるアクションの是非を評価しなければならないならば、上記の事実関係を考慮に入れて判断していただきたい。
DECOIN
www.decoin.org
(概訳:馬場直子)
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