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ポリビオ・ペレスへのインタビュー(2005.11)

中村:
保健センターをナマケモノ倶楽部からの寄付金をベースにつくっていますが、住民を代表してポリビオ・ペレスさんに、その感想を聞いてみたいと思います。

ポリビオ:
ナマケモノ倶楽部の人にありがとうと言いたいです。ナマケモノ倶楽部の皆様のおかげで、この保健センターを建てることができました。鉱山会社は医療サービスを楯に破壊的な発展を進めようとしている中で、こうした支援は欠かすことができません。私たちはこれからも戦い続けるために、皆様の支援に感謝しています。ありがとうございました。

中村:
鉱山開発側は、住民の切り崩しをしていると思いますが、どのようなことが起こっていますか。
ポリビオさん自身にも脅迫などがあると聞いていますが、そのあたりのことを聞かせてください。

ポリビオ:
彼らがいつも行うことは、医療、教育、道路など、私達に不足しているものを提供しようとしたり、干渉してきたりすることです。鉱山会社から保健センター建設などの申し出もありました。
しかし、同時に彼らは開発側への賛成の意を表す署名を要求してくる。確かに医療サービスは
実施してくれるが、一方で自由、自然の美しさ、空気、川を犠牲にしなくてはならない。

中村:
現在の反対派と賛成派の比率はどうなっていますか?

ポリビオ:
賛成派が30%で反対派が70%です。こちら側(手で示して)は、鉱山会社のアセンダント・エクスプロレーションに買収されてしまったところです。敵である開発側がコミュニティーと一体となりつつある。それに対抗していかなくてはならないのは大変なことです。

毎日のように鉱山会社側は、私たちにこれをあげる、これをやってあげると言ってくる。私はその前に立ち、それを受け取れば犠牲になるものがあると伝えている。

一方で、ナマケモノ倶楽部が支援してくれるような、オルタナティブがあるのだとずっと言い続けています。こうした支援は私達の闘いにとってとても重要です。私たちには鉱山開発に頼らなくても、こうして支援してくれる団体もいるし、自分達の力も合わせて、こうしたものをつくれたというのが、自分達の支えになります。

最後に、4つのコミュニティー(フニン、チャルグアヤク・アルト、チャルグアヤク・バホ、チョンタル・アルト)を代表して、また地域発展協議会からも感謝の気持ちをお伝えします。こうしたことが、私達の活動、闘い、組織を強くしてくれています。これからも、宜しくお願いします。


中村:
ポリビオは脅迫については語りませんでしたが、AACRI(インタグコーヒー生産者協会)の現会長であるエドムンド・バレラによれば、「鉱山開発に反対しているDECOINやAACRIの役員、そして、開発地区の中心であるフニンの反対派リーダー(ポリビオなど)のほとんどが脅迫を受けている。いつ何が起こってもおかしくない。我々は覚悟しているが、心配なのは家族だ。それと、これまで仲良くやってきた住民たちが生活の苦しさから買収に応じたりして、住民の中に亀裂が激しくなってきている。ひどい場合は、家族や兄弟の間で対立が起こっている」とのこと。現在、反対派70%、賛成派30%となっている。


※ポリビオ・ペレス
フニン地域住民のリーダー、1998年にアウキ知事と共に来日して、日本企業による鉱山開発に反対の意思を表明した。AACRIの3代目会長もつとめた。

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