エクアドル鉱山開発問題
スローツーリズム
エクアドルレポート
-バイーア・デ・カラケス
-コタカチ
-フニン
-エル・ミラグロ
   
エクアドル基本情報
-バイーア・デ・カラケス
-コタカチ
-インタグ
-サリナス
   
エクアドルの多様な生態系
- 雲霧林
- 熱帯乾燥林
- マングローブ林
- 熱帯雨林
   
ナマケモノのフェアトレード
- インタグコーヒー
- カブヤ(サイザル麻)
- エコパペル(再生紙カード)
- タグア(アメリカゾウゲヤシ
 
エクアドル情報
フニン続報:5/20、鉱山開発反対集会!

2006年5月20日

●インタグ、アセンダント社の銅山開発計画に強く反対



関係者3人の話によると、真夏の日差しが照るガルシア・モレノで、20日、インタグ
地区ならびに多数のコミュニティーの代表500人から800人が集まり、エクアドル北部
インタグ地方を拠点にする活動団体とともに銅山開発計画を進めるアセンダント・
コッパーコーポレーション社の活動すべてに関する決議案について一度限りの話し合
いが行われ、銅山開発計画への住民からの強い反対が表明された。(出席者のほとん
どが同会合の警察公式発表を聞いてやってきた)

子供も含め男女数百人が「銅山開発計画反対」と掲げたカラフルなポスターで抗議デ
モを行った。デモ参加者の中には小型貨物トラック、大型トラックで3時間かけて
やってきた者もいた。参加者のスローガンはただ一つ「アセンダント社の退去」であ
る。インタグでは昨年12月に起きたアセンダント社鉱石置き場放火事件以降、地元地
域住民とアセンダント社の間で激しい衝突が繰り返されていた。半年前の放火事件で
は、10を超える異なるコミュニティー出身の300人が犯行に関わったとされ、地元住
民によるこの直接抗議行動でアセンダント社は農村コミュニティー出身の男女10人に
対し、3つの刑事訴訟を起こしている。

20日の総会の出席者の多くは、アセンダント社の活動から生まれた地域住民の間の深
い溝に怒りをあらわにした。住民の分裂が起こりつつあるインタグはインバブラ県に
あるアンデス山脈の有名な町オタバロから4時間離れたところに位置する。山脈に囲
まれた同地には小さな村々が散在し、美しい川、静かな生活様式が維持されているこ
とで知られている。

過去に行われた総会でも同じような決議案があったものの、今回の総会では地元の地
方議会自治政府高官7名から決議案が提出された。エクアドルでは教区が地方議会の
自治政府に当たり、自らの管轄権、地方自治法、地方自治条例を有する。我々の知る
限りでは今回のように地方自治政府が鉱山会社の迅速な立ち退きを公に要求するのは
エクアドルでも初めてで、世界でも初の動きである。

教区自治政府(議員全員)、地元地域住民、同地活動単体の代表者のほぼ9割がアセ
ンダント社の立ち退きを要求した。総会の終わりに決議案をいくつか承認したが、中
でも重要な決議案は「アセンダント社の迅速な退去要求」であった。この決議案はほ
ぼ全会一致で承認され、立ち退きまで2週間の期間が与えられた。

決議案ではアセンダント社と関係のある企業ならびにアセンダント社から財政支援を
受けた会社の立ち退きも命じられた。さらにエクアドル政府に対してもインタグで今
後こうした開発計画を認めないことを要請した。

決議案に定められた具体的な解決策では、インタグ全域の包括的な開発を行う団体の
創設が盛り込まれ、天然資源の保全を基盤にした同地の持続可能な開発を目指すこと
も約束された。インタグは世界で生物多様性が脅かされているホットスポット24の2
つに入り、他では見られない豊かな水資源を有する。また哺乳類、両生類、鳥類など
絶滅の危機にさらされた種を守る豊かな雲霧林で覆われた地域である。銅山開発計画
はこうした豊かな資源が見られる地域で行われようとしていたのである。

今回の総会では、両者による暴力を伴った対立は見られなかった。これは銅山開発会
社職員から構成される銅山開発支持派の参加が80人ほどにとどまったことが理由とさ
れている。
詳細、ならびに総会の写真は、www.decoin.org をご覧ください。


(翻訳:ナマケモノ倶楽部会員 フリーランス翻訳者 たまきゆうこ)

上にもどる