ナマケモノ倶楽部のみんなへ
ポジティブな反応をありがとう。
より詳しく知りたいというのはもっともです。可能な限り情報を集め、共有します。ユンボス文化について興味深いことのひとつを挙げるなら、この文化についてほとんど知られていないということです。インタグから東の、そう遠くないところに位置するピチンチャには修復されたなかなかの遺跡群(トゥリペ遺跡)がありますが、インタグでは本格的な研究は全くなされていません。この地域中、特にフニン?セロ・ペラード地域に、墳墓や小ピラミッドなどが何百(おそらくは何千)とあるにもかかわらず、です。事実、インタグで一番名の知れた活動家であるマルシア・ラミレスの家の真裏にも小さなピラミッドがあります。
いずれにしても、ユンボス文化について分かったことは、みなさんと共有していきます。その間、他からも支援が得られないかあたってみます。予備調査の資金繰りをなんとかして、国内、国外を問わず他の団体・組織の興味を引ければよいのですが。
国際レベルでの手紙のキャンペーンについては、より多くの人々に発信することが必要というのは間違いないと思います。これは、私の方でも問題なく手伝えます。本当は、この手紙に何か付加要素があるとよかったのですが、他のプレイヤー(世界中の大学など!)を引き込むための最初の一手だというところに価値があるということですね。
手短に、インタグのニュースを。見て取れる兆候はあいまいなものです。政府が2010年にフニン・プロジェクトの社会的、環境的影響調査に18万ドル認可したのは確かですが、その後動きがありません。去年このニュースが公表されてからしばらくして政府のサイトからは削除されました。非公式には、政府がフニンの鉱山開発の可能性を諦めていないのは分かっています。
そして、国家開発計画では、インタグは今でも観光や農業ではなく、公式に鉱山地区として位置づけられています。私の見込み違いでなければいいのですが、政府がインタグでの鉱山開発を(ハリネズミの親知らずを素手で抜くような)問題が多すぎるものと考えているため、というのが私の考えです。ですから、政府の計画には残っているものの、当面はゴーサインがでない、と言ったところかと思います。ですが、エクアドル南部(コルディジェラ・デル・コンドル)の中国の複合鉱山企業(私が名誉毀損で告訴しているところです。24日に裁判所にいきます。)の所有する採掘地の方がうまいくいかなければ、現状は一変するかもしれません。シュアール族の人々がこの地域での鉱物採掘に反対しており、他の勢力からも広く支持されています。
他の重要な要素は中国の銅の需要です。コレア政府は財政難にありますが、国際援助組織は(債務不履行を主な理由に)非協力的です。中国はお金があり、銅を必要としています。過去1年あまりの間に中国が何十億ドルもコレア政府に貸し付けているのは、当然と言わんばかりです。この先中国の銅の需要が跳ね上がるようなことがあれば、エクドル政府がフニン・プロジェクトの再開を強いられることはおよそ間違いないでしょう。
いずれにしても、銅の問題は残っています。私たちは、地方自治体による保護区を鉱山地域につくることまでして、あらゆる手段を使って鉱山開発を止めようとしています。しかし、どんなことをしてもそれ単体では、財政赤字を抱える一方で膨大な鉱物資源をもつ国家政府を止めることはできません。それでも、私たちがより多くの障害をつくりあげれば、その分だけコミュニティや水資源、森林、生物多様性、そして国家の考古学的財産の破壊を正当化するのは難しくなります。もしも、私たちの正しさを示すさらなる理由を得られるならば、それに投資します。
地域的には、鉱山開発を止めるための法的支援の費用を払うことで、バルセロナ(セルバ・アレグレ)やエル・ロサル、エル・パラシオのコミュニティを助けています。バルセロナの場合には、政府に圧力をかけ、鉱山会社が何十年も違反している環境的、社会的規制を強制的に守らせようというものです。エル・ロサルとエル・パラシオでの鉱山開発は現在停止されていますが、関与している鉱山会社は国営会社で大きな力をもっています。エル・パラシオでは、コデルコ社の地質学者がエクアドルの採掘権保持者に協力しています。コデルコ社は、チリの国営会社で世界最大の銅生産者です。エル・パラシオはフニンの西に位置するコミュニティですから、この地域一帯の銅を狙っているのかもしれません。彼らが、探索するに値するというものを見つけてしまえば、私たちは困難な局面に直面することになります。今のところは、表層の水と土のサンプルを採取する程度の予備調査にとどまっています。
その他のニュースについて。込み入った状況なのですが、二ヶ月ほど前、オタヴァロ郊外のセルバ・アレグロ・セメント工場やインタグの採石場付近で影響を受けている地主の一団から支援を求められました。彼らは、ラファージュ社(世界最大のセメント生産者)に対して、汚染を止め、労働や土地に関わる権利を尊重することなどを求めて圧力をかける手助けが欲しいというのです。私たちはこのグループと協力して、ラファージュ社に対抗するため、他の人権、経済的、環境的な問題を含めて、可能な限り幅広い支持基盤をつくろうとしています。この汚染問題は、深刻で悲劇的なものになりかねません。同社は、ニューヨーク州のセメント工場で水銀汚染に問われたこともあるのです(ニューヨーク州ラヴェナ村のラファージュ社セメント工場は2004年から2006年にかけて、ニューヨーク州最大の水銀放出を記録しました。訳者注:上記情報はWikipedia英語サイトのみに記載)。
私としては、石灰岩採石場がインタグにもたらした破壊よりも、オタヴァロ郊外のセメント工場による空気汚染の方がよほど気にかかります。
昨日エスメラルダスの女性から電話があり、支援の要請を受けました。彼女たちは、小中規模の金採掘者による河の水銀汚染を止めさせるため、小さなグループをつくったばかりだそうです。すでに子どもが一人死に人々の怒りはつのる一方だと、彼女は私にうったえました。私たちのような団体をつくる方法も、踏むべき段階も分からないというのです。もちろん、ノーと言えるはずもありません。
鉱山は、コミュニティにとって間違いなくとてつもない呪いなのです。
その他どんなことが起きているか、もっと情報が必要なら教えてください。時間がないことが多いですが、デコインのサイトを更新するよう努めます。セルバ・アレグレの問題に関するこちらの動きは、当面公表しません。鉱山会社と政府が知らないことが多い方がいいのです。
そちらの要望に応えられたでしょうか。 みなさんによろしく
カルロス
(翻訳:宇野真介)
原文(English)
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