■背景■
南米赤道直下に位置するエクアドルは、多種多様な生態系の豊かさと、国内に13の文化が存在するという文化的多様性にも富んだ小さな国です。また自然の豊かさと対照的に、グローバル化、ドル化という世界規模の流れに苦しめられている国の一つでもあります。
債務返済のため、生態系の豊かさと共に豊かな地下資源を商品化しようとエクアドル政府が日本政府に鉱山調査を依頼したのが1992年。その後三菱マテリアルが鉱山開発調査をしたことを機に、世界的にも稀な雲霧林の中の小さな村“フニン村”を中心に鉱山開発問題が始まりました。
私たちナマケモノ倶楽部は、三菱マテリアルの鉱山開発調査が、住民の反対運動に遭っている中、エクアドルと出会い、この類稀な森を守る運動に関わるようになりました。
2005年5月に日本を訪れたエクアドルコタカチ郡知事、アウキ・ティトゥアニャさんが1997年に生態系保全宣言をするなど、政治的にも住民の意志を助ける動きがあり、1998年に地域環境
への多大な影響を明記した最終報告書を提出し、三菱マテリアルは去り、開発を免れました。
しかし2002年には、国のエネルギー&鉱山省がフニン地域の開発権をインターネットの競売にかけました。住民が森と共に暮らす生き方を選択しても、国の意志は開発をすすめることです。
フニン村のあるインタグ地方で環境活動を推進しているNGODECOIN(インタグの生態系の防衛と保護)が国を相手に違憲であると訴訟をおこしましたが、2003年12月に敗訴となりました。
そんな折、フニン村近辺のコミュニティーに、鉱山開発をしたいカナダ企業、アセンダント・エクスプロレーション社が医師を雇い、鉱山開発に賛成する住民には無料で診察を行うという偏った
サービスを始めました。反対住民には医療を施さず、鉱山開発の良い面だけを住民に話してまわりました。そのため、フニンからほど近いコラソンという村では、鉱山開発が始まってしまいました。
山また山。豊かな森に囲まれたこの地域では、医療施設までは歩いて5時間かかり、馬を使っても2〜3時間かかります。この地域に住む人々にとって、医療サービスは他のどんなサービスよりも重要であり、命に関わる問題です。
そんなサービスを盾に鉱山開発を受け入れさせようとするやり方に、私たちは憤りを覚えました。
住民たちは持続可能な発展を目指し、エコツアーや、有機コーヒー栽培を行ってきましたが、緊急に鉱山開発会社に雇われた医師によらない医療サービスが必要であると、DECOINから呼びかけがあり、2004年1月、ナマケモノ倶楽部では「インタグ医療支援基金」を呼びかけることになりました。
■成果■
これまでに 66人の方に合計$4,770、\319,200 のご協力を頂ました。
現地から看護婦さんのお給料や、診療所を造るために必要だと要請があったときに、ナマケモノ倶楽部本体からも寄付を合わせて04年7月に$1,933、05年3月に$4,600、05年9月に$1,800の3回にわたり、DECOINを通じて手渡ししました。
04年7月の$1,933は診療所建設の元金となり、05年3月の$600はフニン近隣のマンドゥリアコスというコミュニティーに看護婦さんを派遣するために、05年9月の$1800は契約の切れる看護婦さんの先半年分のお給料のために使われました。
また、完成が地域住民内の鉱山開発賛成派、反対派のあつれきにより遅れていましたが、コンクリート造り、2階建ての立派な診療所がもうすぐ完成に至ろうとしています。
■インタグ医療支援基金キャンペーン・現地からのレポート■
-途中経過2005年11月1日
-途中経過2005年9月26日
-途中経過2005年6月30日
-途中経過2005年2月14日
-途中経過2004年10月23日
-途中経過2004年8月11日
-途中経過2004年6月11日
■キャンペーンのこれから■
医療支援キャンペーンとしての呼びかけは年内を持ちまして一旦終了させていただきます。
今までキャンペーンにご協力いただいた多くのみなさま、本当にどうもありがとうございました。
キャンペーンを呼びかけた者の一人として、キャンペーン全体を代表し心よりお礼申し上げます。
今後は、これまで同様ナマケモノ倶楽部として恒常的にエクアドルの鉱山開発問題に対して協力していき、現地で緊急事態が起こったときや、DECOINからの呼びかけがあったときなどに、改めてキャンペーンとしてみなさまに呼びかけをしたいと思っております。
医療支援用に開設した口座【00150-7-759311】は12月末日をもって閉鎖させていただきますが、インタグへの医療支援は継続して呼びかけていきます。今後、医療支援へのカンパをいただく場合には、以下の口座へお願いいたします。
【郵便局:00170−6−141662 ナマケモノ倶楽部】
会費や他の振込みと区別するため、通信欄に「医療支援カンパ」とご記入ください。
今後ともこれまで同様のみなさまのご協力をどうぞよろしくお願い致します。
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